35歳の左派候補勝利 チリ大統領選決選投票

東京, 12月20日, /AJMEDIA/

南米チリで19日、大統領選挙の決選投票が行われ、左派ガブリエル・ボリッチ下院議員(35)が右派ホセアントニオ・カスト元下院議員(55)を破り初当選を決めた。カスト氏は敗北を認めた。ピノチェト軍事独裁から民政に移管した1990年以降続いた中道路線から、かじを切ることになる。
 中央選管当局によると、開票率99.8%時点でボリッチ氏が55.9%を得票。カスト氏は44.1%にとどまっている。ボリッチ氏は「私はすべての国民のための大統領になる」と勝利宣言。カスト氏はツイッターで「ボリッチ氏に電話で祝意を伝えた。きょうから彼は当選者だ」と表明した。
 選挙では、社会格差の拡大や脆弱(ぜいじゃく)な年金制度、2019年10月の反政府暴動以降、悪化した治安への対策などが争点となった。学生運動指導者出身のボリッチ氏は、新自由主義の見直しや、富裕層への課税強化を主張。豊富な天然資源への国家関与強化を目指している。弁護士のカスト氏は、新自由主義の継続と減税、移民管理の厳格化などを唱えた。
 ボリッチ氏は「極右」と言われるカスト氏を、圧政を敷いた故ピノチェト氏になぞらえて批判。カスト氏はボリッチ氏を「共産主義者、全体主義者」と攻撃した。

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