韓国、中国と応酬 大統領の台湾情勢発言巡り

東京, 4月22日, /AJMEDIA

【ソウル、北京時事】韓国と中国が尹錫悦大統領の台湾情勢に関する発言を巡り、激しい応酬を繰り広げている。尹氏はロイター通信のインタビューで「力による現状変更に反対する」と明言。中国外務省が20日、「他人の口出しは許さない」と非難し、韓国外務省は「外交上の礼を欠く」としてソウルの駐韓中国大使を呼び抗議した。
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 国賓としての訪米を前にした尹氏は19日配信のインタビューで、緊張が高まる台湾情勢について「こうした緊張は力による現状変更の試みで起きた」と指摘。「われわれは国際社会と共に絶対に反対する」と表明した。
 中国外務省報道官は20日の定例記者会見で、台湾問題は中国の内政問題だとして尹氏の発言を批判した。
 韓国外務省当局者は「力による現状変更に反対する国際社会の普遍的原則に言及したものだ」と反論。「中国外務省の報道官が口にしてはいけない発言をした」と訴え、「国としての品格を疑わせる深刻な外交的欠礼だと指摘せざるを得ない」と強調した。韓国外務省は※(※刑のリットウがオオザト)海明駐韓中国大使を呼び出し、抗議した。
 中国側では、秦剛国務委員兼外相が21日のフォーラムで再び韓国批判を展開。名指しを避けつつも「最近、中国が『武力による現状変更を試みている』という奇妙な説をよく聞く」と述べ、「国際常識と歴史的正義に反した発言だ。荒唐無稽な論理で、その結果は危険を伴う」とけん制した。外務省報道官は同日の記者会見で「韓国側の誤った発言に対し厳正な申し入れを行った」と明らかにした。
 中韓は在韓米軍への迎撃システム「高高度防衛ミサイル(THAAD)」配備問題で、関係が冷え込んだ。文在寅前政権は、米中対立の中でも曖昧な姿勢が目立ち、中国を刺激する言動を避けてきた。一方、尹政権は日米韓の連携を重視する姿勢を示す。
 尹氏は24日から訪米し、26日にバイデン大統領と会談。台湾情勢も議論するとみられる。

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