路上アートでウクライナ侵攻批判 「ロケット飛ばす場所違う」―ロシア

東京, 4月14日, /AJMEDIA/

ロケット、なぜ月に飛ばさない―。ロシア第2の都市サンクトペテルブルクの路上に12日、宇宙開発をモチーフにしつつ、プーチン政権によるウクライナ侵攻を暗に批判するアート作品が登場した。1961年に旧ソ連のガガーリンが人類初の宇宙飛行に成功した「宇宙飛行士の日」に合わせて掲示され、数時間後に撤去された。

 手掛けたのは路上芸術家グループ「ヤフィ(現実)」。作品の題名は「月 2043年」で、20年後の現実を暗示している。月面には米国、欧州連合(EU)、日本、中国、韓国、アラブ首長国連邦(UAE)、インドの旗が立ち並ぶが、宇宙大国だったはずのロシア国旗はない。
 作品には「なぜわれわれは間違った場所にロケットを飛ばしているのか」と一文が添えられている。ロシア語では、戦争に使われるミサイルも、宇宙船などを打ち上げる装置も「ロケット」という同じ単語だ。
 作品はSNSなどで議論を呼び、国内のブロガーは「ロシアは今、宇宙にロケットを飛ばすのではなく、ウクライナの各都市にミサイルを撃ち込んでいる」と指摘。あるジャーナリストは「ロシアはウクライナ侵攻を背景に、宇宙大国の地位を失い続け、各国との差が広がっている」と伝えたメディア報道と一緒に作品を紹介した。
 ただ、誇りをもって迎えられる宇宙飛行士の日に、政権に批判的な作品が発表されたのは、保守派には受け入れ難かったもようだ。深読みしないSNSユーザーは「ソ連は月探査を行っている」「20年後の月にロシア国旗がないのはおかしい」と反発した。

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