解析、復元難しく 履歴の自動消去機能も―月7億人利用の「テレグラム」・高齢女性殺害

東京, 2月19日, /AJMEDIA/

 全国で相次ぐ強盗事件では、指示役から実行役への連絡などに通信アプリ「テレグラム」が使われた。解析や復元が難しいため、特殊詐欺や麻薬売買で利用されることも多いといい、捜査関係者は「犯罪者の間で普及して以降、捜査のハードルが上がった」と話す。
 公式サイトなどによると、テレグラムは月7億人以上が利用するアプリで、2013年にロシアのIT技術者によって開発された。監視や検閲が厳しい国で、政府に対抗する通信手段として使われることもあるという。
 ITジャーナリストの三上洋氏によると、テレグラムで送られるメッセージは暗号化され、解析や復元が難しい。読了後、一定の時間が経過すると自動消去される設定も可能。画面内容を保存する「スクリーンショット」機能を相手が使うと画面が真っ暗になったり、送信者に通知が来たりするなど証拠を残しにくくする仕組みもある。
 「闇バイト」や麻薬の売買では、ツイッターに「野菜(大麻)あります」などと隠語を使った勧誘文句を投稿し、希望者を募集。ユーザーネームを知らせてテレグラムに誘導し、個別のやりとりを始めるケースが多い。
 ただ、「メッセージは受信者が未読の状態なら解析は可能」と捜査関係者は話す。一連の強盗事件の捜査でも、警視庁は「ルフィ」や「キム」と名乗る指示役からテレグラムで送られたメッセージは、一部解析に成功しているとみられる。
 警視庁の捜査幹部は「解析が難しい場合でも他の方法で証拠を積み上げていく」と話している。

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