蔡氏への支持生かせず 24年総統選に影響も―台湾地方選

東京, 11月27日, /AJMEDIA/

26日に実施された台湾統一地方選で、与党・民進党は主席(党首)を務める蔡英文総統への安定した支持を生かし切れず、大敗した。連続2期目の蔡氏は2024年の次期総統選に出馬できず、今回の敗北による求心力低下は必至。約1年後に迫る総統選の候補者選びへの影響も避けられそうにない。
 台湾統一を目指す中国からの軍事的圧力が強まる中、蔡氏は選挙戦を通じ「台湾の民主主義を守る」と繰り返し訴えたが、対中政策は大きな争点にならなかった。地方選は本来、暮らしに直結する経済政策などが重視され、外交・安保政策を問う総統選とは異なると考える有権者も多い。
 もっとも、中国が主張する「一つの中国」原則を認めず、統一でも独立でもない「現状維持」を堅持する蔡氏への支持は、今のところ安定している。民間団体「台湾民意基金会」の世論調査によると、蔡氏の支持率は20年の2期目入り後、常に43%以上を維持してきた。だが、地方選敗北を受けて蔡氏は党首辞任を表明。これを機に「跡目争い」で与党内が混乱し、蔡政権が急速にレームダック(死に体)化する可能性も出てきた。
 台湾総統府の関係者は、取材に対し「人々にとって最も大事なテーマは、やはり経済だ」と表情を曇らせた。
 一方、対中融和路線を進めようとする最大野党・国民党は今回の選挙戦で「中国を挑発し、若者に戦争させようとしている」などと蔡氏を非難。地方選の勝利を弾みに、次期総統選ではこうした主張を前面に押し出すとみられる。

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