自民、逆風懸念 薗浦氏辞職、イメージダウン避けられず

東京, 12月22日, /AJMEDIA/

 政治資金収支報告書に約4000万円もの過少記載があったとの疑惑を抱えた自民党の薗浦健太郎衆院議員が21日、辞職と離党に追い込まれた。先の臨時国会では「政治とカネ」の問題などで3閣僚が辞任。そこへ党所属議員の辞職が加わり、同党のイメージダウンは避けられない。党内では、来年4月の統一地方選などへの逆風を懸念する声が出ている。
 自民党の萩生田光一政調会長は21日、党本部で記者団に「政治資金で有権者の信頼を裏切ることがあってはならない。一人一人が襟を正して対応すべきだ」と語った。
 臨時国会では寺田稔総務相(当時)が「脱税」や公職選挙法違反の疑惑を指摘された末に辞任した。他に2閣僚の辞任もあり、政権は立て直しを急いでいただけに党内の空気は重い。
 選挙区内の有権者に現金を提供した疑いで議員辞職した菅原一秀氏(自民離党)よりも「悪質」との見方が党内にはある。党関係者は「統一地方選に影響する」と顔をしかめた。
 特に薗浦氏の地盤である衆院千葉5区を中心とする地域では「相当厳しい戦いになる」とみる。4月には薗浦氏の辞職に伴う補欠選挙も見込まれる。同党は「不戦敗はあり得ない」(関係者)として擁立を目指す構えだが、候補者選定は難航しそうだ。
 一方、薗浦氏は、麻生派を率いて政権の屋台骨を支える麻生太郎副総裁の側近。派内では閣僚候補と期待される存在だった。派閥関係者は「非常に痛い」と悔やむ。
 薗浦氏が、予想される東京地検特捜部による略式起訴の前に辞職したのは、政界復帰も念頭に、罰金刑確定による公民権停止期間(原則5年)の短縮を狙ったものとみられる。菅原氏も略式起訴前に辞職し、公民権停止が3年となった。
 ただ、3年に短縮されても衆院議員任期満了は2025年10月のため、次期衆院選には出馬できない。党内では「政界復帰するなら参院選だろう」(中堅議員)と見る向きがある。
 今後は、閣内でなお「政治とカネ」の問題を抱える秋葉賢也復興相の動向も焦点になりそうだ。来月召集の通常国会で野党の追及を受けるのは確実で、党内では国会召集前の小幅の内閣改造も取り沙汰される。
 ◇野党は説明要求
 立憲民主党の岡田克也幹事長は記者団に「多額な金を何に使ったのか説明する責任がある」と求めた。共産党の穀田恵二国対委員長は「自民党の責任は極めて重大だ」と批判した。

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