米気球も「昨年から不法侵入」と中国 批判応酬で緊張緩和困難に

東京, 2月14日, /AJMEDIA/

中国外務省の汪文斌副報道局長は13日の記者会見で「米国の気球が昨年1月から十数回中国領空に不法に侵入している」と述べた。米軍が中国の「偵察気球」を撃墜し、両国間の対立が深まる中、汪氏は「米国は中国を中傷するのをやめて反省せよ」と強調。これに対し米国は中国側の主張を否定しており、緊張緩和が困難になる恐れがある。
 米軍機が4日、米サウスカロライナ州沖で偵察気球を撃墜して以降、中国側が国内に米国の気球が飛来したと指摘するのは初めて。汪氏は詳細については説明せず、「米国は技術を乱用し、同盟国を含む世界中で大規模な機密窃取を行っている」と主張。「(米国は)他国の主権と利益を侵害している」と激しく批判した。
 米国家安全保障会議(NSC)のワトソン報道官は13日、ツイッター上で中国側の主張について「偽りだ」と否定。「米国や40カ国以上の主権を侵害し、情報収集のための気球を飛ばしているのは中国だ」と反論した。
 偵察気球について、中国側は当初、「民間用の気球が迷い込んだ」として「遺憾」の意を表明していたが、米側が気球を撃墜し中国批判を強めると態度を硬化。中国外務省や国防省は「必要な手段で類似の状況に対処する権利を留保する」などとして対抗措置の可能性を示唆していた。
 米軍は4日に偵察気球を撃墜した後も、10日から3日連続で、米・カナダ間のヒューロン湖上などで未確認飛行物体を撃墜した。これらの物体と中国との関連は不明で、残骸を回収して分析する方針だ。
 一方、12日には一部の中国メディアが、山東省青島市の周辺海域で「正体不明の飛行物体」が見つかり、撃墜準備がされていると報道した。米中両国が双方の「偵察気球」に対する非難の応酬を続ければ、事態の沈静化が遠のく可能性がある。

Follow us on social

Facebook Twitter Youtube

Related Posts