米大統領選「高齢対決」再現も バイデン氏が再選出馬表明―後継者不足、漂う閉塞感

東京, 4月27日, /AJMEDIA/

【ワシントン時事】バイデン米大統領(80)が再選出馬を表明し、2024年大統領選に向けた動きが本格化した。民主党政権の継続阻止を目指す共和党では、トランプ前大統領(76)が候補指名争いでリード。20年大統領選で対決した2人が、再び本選を戦う可能性に有権者は嫌気を示しており、高齢の「本命」を脅かす後継者不足に閉塞(へいそく)感が漂う。
 NBCテレビの最新世論調査によると、回答者の70%が「バイデン氏は出馬すべきでない」と答え、うち48%が「年齢」を主な理由に挙げた。トランプ氏の出馬にも60%が反対し、「トランプ対バイデン」の再戦は歓迎されていない。
 バイデン氏は物忘れをしたり、階段で転んだりと、たびたび年齢を不安視されている。それでも民主党内に挑戦者が現れないのは、現職の強みに加え、「過激な共和党への『解毒剤』として無党派層の支持を獲得してきた」(CNNテレビ)からだ。
 共和党は最近、州レベルで、人工妊娠中絶の制限や人種的少数派(マイノリティー)の投票制限につながる法整備など、極端に保守的な政策を推し進めている。バイデン氏はこうした「過激主義」との対決姿勢を前面に掲げて20年大統領選でトランプ氏に勝利し、昨年の中間選挙でも善戦した。
 一方、共和党支持者の間ではトランプ氏が根強い人気を誇る。先月、不倫相手への口止め料支払いを巡り起訴されたが、「司法の政治利用だ」と同情を訴え、むしろ支持層の結束を強めた。
 「後継者」と期待されたフロリダ州のデサンティス知事(44)は、やや失速気味だ。妊娠6週目以降の中絶を禁止する州法を成立させて穏健派の不評を買ったほか、ロシアのウクライナ侵攻について「領土紛争」などと発言し、保守派からも批判されている。
 もっとも、両党の指名候補を選ぶ各州の予備選・党員集会が始まるのは来年になってから。トランプ氏は口止め料問題以外にも、選挙介入や機密文書持ち出しなど数々の刑事訴追リスクを抱えており、リードを維持できるかは不透明だ。ワシントン・ポスト紙は、バイデン政権下で解消されなかった「過激主義と分断」を巡る争いが、24年大統領選でも続くと分析している。

Follow us on social

Facebook Twitter Youtube

Related Posts