米、アフリカ関与強化へ 民間投資の拡大は不透明

東京, 12月18日, /AJMEDIA/

米ワシントンで15日まで開かれた米アフリカ首脳会議で、米国は今後3年で550億ドル(約7兆5000億円)の支援を表明した。「最後のフロンティア」とされるアフリカとの結び付きを深める中国やロシアに対抗し、関係を強化する姿勢を明確にした。だが、アフリカ諸国が期待する米民間企業の投資拡大は不透明だ。
 「アフリカと共に、アフリカにすべてを賭ける」。バイデン米大統領は15日、アフリカ各国首脳を前に意気込みを語った。もっとも、会議開催は8年ぶりで、3年ごとに開かれる日本主導のアフリカ開発会議(TICAD)や中国アフリカ協力フォーラムに比べ、出遅れ感は否めない。
 大手会計事務所EYによると、米国の対アフリカ直接投資額は2020年までの5年間で237億ドルと、中国の3分の1程度。西アフリカ・リベリアのムーア元公共事業相は「中国企業の多くには政府の保護があるが、米国はすべて民間だ」と指摘。米企業は投資リスクに慎重にならざるを得ないため、アフリカ諸国は投資の受け入れ拡大に必要な法整備を進めるべきだと語る。
 投資促進のカギを握るのが、25年に期限を迎える米国のアフリカ成長機会法の扱いだ。多くのアフリカ製品が関税を免除され、現地の繊維産業などの振興を通じて経済発展を支えてきた。
 アフリカ諸国は同法延長を望んでいるが、米国は「特に開発が遅れている国での利用を増やすなど、改善できる」(タイ通商代表部=USTR=代表)と、制度の見直しを示唆。南アフリカやモロッコなど中所得国に対し、米国が市場アクセスの拡大を迫るとの懸念もある。
 米民間企業がアフリカ投資を増やせば、「日欧勢も追随する可能性がある」(ムーア氏)。アフリカ諸国は、米企業の動向に期待を込めて注目している。

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