民・共、2人の知事に脚光 大統領選にらみ?動き活発―米中間選挙

東京, 8月22日, /AJMEDIA/

11月の米中間選挙に向けた動きが本格化する中、2人の州知事が注目されている。南部フロリダ州のデサンティス知事(共和党=43)と、西部カリフォルニア州のニューサム知事(民主党=54)だ。いずれも再選を目指す選挙を控える身ながら他州の応援に呼ばれるなど活動は全国規模。2024年大統領選の「期待の星」(CNNテレビ)との呼び声も高い。
 「左派のイデオロギーに屈服するわけにはいかない」。デサンティス氏は19日、ペンシルベニア州知事候補の応援演説で声を張り上げた。オハイオ、アリゾナなど他の激戦州でも人気弁士として駆け回っている。
 新型コロナウイルス規制のマスク着用「義務化」に反対してバイデン政権と対立し、7月には性的少数者について児童に教えることを制限する州法を制定。トランプ前大統領になぞらえて「ミニ・トランプ」とも称されるデサンティス氏の行動は、物議を醸すと同時に、保守的な共和党支持層の喝采を浴びてきた。
 今やその人気は不動だ。全米の保守派が一堂に会した今月の「保守政治行動会議(CPAC)」で次期大統領候補の模擬投票を実施したところ、デサンティス氏はトランプ氏に次ぐ2位。トランプ氏が出馬しない想定では、65%もの支持を得て首位に躍り出た。
 一方、デサンティス氏にライバル意識を燃やすのがニューサム氏だ。7月、ニューサム氏がフロリダ州で打ったテレビ広告が話題を集めた。デサンティス氏の映像を背景に「皆さんの州では自由が攻撃されている。カリフォルニアに移住しましょう」と呼び掛けたのだ。
 性的少数者の権利擁護や銃規制強化といったリベラルな政策を掲げるニューサム氏は現在、民主党の「牙城」カリフォルニア州で選挙戦を優位に運ぶ。州を飛び越えての露出は、大統領選を見据えた動きとの見方が多い。
 2人の知事が期待を集める背景には、若さや知名度に加え、両党で次期大統領の有力候補が不足している事情がある。バイデン大統領は79歳の年齢がたびたび不安視され、ハリス副大統領はバイデン氏以上に支持率低迷に悩む。一方、トランプ氏も機密文書持ち出しなどをめぐる疑惑で、出馬に不確定要素を抱える。
 ただ、党トップへの挑戦は冷遇されるリスクと隣り合わせだ。デサンティス、ニューサム両氏とも現時点で大統領選立候補は否定しており、活動の本格化はバイデン、トランプ両氏の動向を見極めてからになるとみられる。

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