欧米、戦車支援を加速 ウクライナ反転攻勢前に

東京, 4月23日, /AJMEDIA/

【ワシントン時事】ロシアの侵攻を受けるウクライナの反転攻勢を前に、欧米が戦車支援を加速させている。オースティン米国防長官は21日、ウクライナに供与する米主力戦車「エイブラムス」の操縦訓練を数週間以内に始めると表明。ドイツなどは、独製主力戦車「レオパルト2」の修理拠点をウクライナの隣国ポーランドに設置すると明らかにした。
 米独などは21日、独南西部ラムシュタイン米空軍基地でウクライナ軍事支援会議を開催。オースティン氏は記者会見で、ウクライナ兵に対する訓練をドイツで実施すると説明した。ロイター通信によると、訓練は約10週間で、数百人のウクライナ兵が参加する。
 米政府は1月、エイブラムス31両の供与を発表した。会見に同席した米軍制服組トップのミリー統合参謀本部議長は「私の見解では世界最高の戦車だ。投入されれば戦場で違いをもたらす」と強調した。
 ドイツ、ポーランド、ウクライナの3カ国は、既にウクライナへの引き渡しが始まったレオパルト2について、ポーランド南部グリビツェに修理拠点を設け、5月に稼働を開始することで合意した。ウクライナの近くに修理拠点を設けることで、効率的な戦車運用を進めたい考えだ。
 北大西洋条約機構(NATO)のストルテンベルグ事務総長は「これは消耗戦であり兵たんの戦争になる」として、弾薬や部品の継続的な供与の必要性を訴えた。また、前日までのウクライナ訪問で、ゼレンスキー大統領を7月にリトアニアで開かれるNATO首脳会議に招待したと明らかにし、「彼が招待を受け入れ、出席してくれることをうれしく思う」と述べた。
 ただ、ウクライナが求めている米国製のF16戦闘機などの供与は、議論が進んでいない。ミリー氏は「ウクライナが今最も必要としているのは防空能力だ」と指摘し、地対空ミサイルの供与を優先する考えを示した。

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