森田釣竿が教える「感動的にうまい!」カツオの食べ方

東京, 7月18日, /AJMEDIA/

 春先から「豊漁」のニュースに沸いた今年のカツオ。夏から秋にかけての「戻りガツオ」にも、今から期待が高まるところだ。タタキや刺身が定番のカツオだが、実は他にも、「ひと手間」加えるだけで絶品に変わる食べ方があるという。テレビ番組でも人気の鮮魚店「泉銀(いずぎん)」店主・森田釣竿さんに教えてもらった。
◇シンプルなうまさを引き出す「ひと手間」
―今年のカツオはどうですか?
 豊漁だし、早い時期(3月ごろ)から脂が乗ってたね。今年はカツオの「当たり年」だと思います。
―イチオシの食べ方はありますか?
 これまでに食べた中で、特に感動したのは「塩カツオ」! シンプルにカツオのおいしさを感じたいならこれ。カツオの身に満遍なく塩を当てて、10分ほど置いてから流水で洗うだけ。あとは好きな厚さに切って、わさびとかオリーブオイルなんかを付けてもいいね。
 新鮮なカツオで作るのがもちろんお薦めだけど、「鮮度がちょっと気になるな」という値引きされたカツオでもオッケー!そういうときは、思い切って血合いの部分だけ取り除いてから塩カツオにするといいと思います。
 ちなみに、同じ作り方でできる「塩マグロ」もうまいですよ。
―塩カツオに感動したきっかけは?
 10年以上前かな?鳥取に行った時、当時水産庁にいた上田勝彦さん(現東京海洋大学客員教授)が朝飯に作ってくれたんだよね。「おい、二日酔いにも効くぞ」って言いながら(笑)。塩カツオを白ご飯に乗っけて、お湯を掛けてお茶漬けみたいにして出してくれたの。めちゃくちゃうまくて、ペロッと食べちゃった。
◇自分でさばけば、もっとうまい
―ほかにもお薦めの食べ方はありますか?
 なめろう。アジのなめろうは有名だけど、カツオのなめろうもうまいのよ。カツオの身とみそ、刻んだネギ、しょうが、大葉などを合わせて包丁でトントンたたくだけ。丼ご飯にたっぷり乗せたり、これ、漁師さんがやってた食べ方なんだけど、途中からマヨネーズで味変(あじへん=味を変化させること)させたり。
 カツオは肉と同じくらい食べ応えのある魚だから、フライやしぐれ煮もお薦め!
―いろいろ試したくなりましたが、自分でさばくのは難しいですか?
 泉銀では、魚初心者のお客さんにこそ、魚を丸(加工処理せず一尾の状態)で買うことをお薦めしてるんですが、その中でも特によく薦めるのがカツオです。一見ハードルが高く感じられるかもしれませんが、どっしりしていて身が安定している分、小さな魚よりさばきやすいんですよ。さばきたてのカツオは本当にうまいです!
 一度カツオをさばいてしまえば、度胸が付いて、だいたいの魚は怖がらずにさばけるはず。これから夏休みですし、丸のカツオを手に入れたらぜひご家族でさばいて、魚と触れ合う生活を送るきっかけにしてほしいですね。
   *  *  *
 森田さんは、魚の魅力を幅広い世代に知ってもらおうと、日々店頭に立つ傍ら、バンド活動でも魚のおいしさや楽しさを発信してきた。初の著書『魚食え!コノヤロー!!!』(時事通信社)では、鮮魚店主としての歩みとともに、カツオをはじめさまざまな魚のおいしい食べ方やさばき方などを詳しく紹介している。
森田 釣竿(もりた・つりざお)
 千葉県浦安市の鮮魚店「泉銀」三代目店主。魚と海をテーマにしたロック・バンド「漁港」のリーダー。NHK総合「超ギョギョッとサカナ★スター」などに出演。YouTube「森田釣竿の『魚食え!コノヤロー!!!』チャンネル」では、東京海洋大学名誉博士で画家のさかなクンとの対談や、鮮魚店での仕事の様子、魚さばきにまつわる情報などを配信中。2022年4月『魚食え!コノヤロー!!!』を刊行した。水産庁お魚かたりべ。枕崎鰹節大使。

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