日欧は「同じ脅威に直面」 安保分野で連携強化―EU高官

東京, 2月10日, /AJMEDIA/

欧州連合(EU)の外務省に当たる欧州対外活動庁のサンニーノ事務総長(次官級)は、ロシアのウクライナ侵攻を契機に国際秩序が大きく変化する中、日本と欧州が「同じ脅威に直面している」と述べ、安全保障分野で連携を深めていく考えを示した。ブリュッセルで時事通信のインタビューに応じた。
 サンニーノ氏は、ロシアによる侵攻を「ルールに基づく国際秩序に対する攻撃だ」と非難。サイバー攻撃や偽情報拡散に加え、ロシア産天然ガスに依存するEUに対しては、エネルギー政策を武器として利用したと指摘した。経済や社会が脆弱(ぜいじゃく)な国々で食料・エネルギー危機などを引き起こしている点にも触れ、侵攻で「安全保障の概念は大きく変化した」と強調した。
 その上で、安保上の脅威が世界全体に及んだことで「基本的に世界の安保領域は一つになっている」と主張。「欧州とインド太平洋の安保を区別して考えることはできない」と語り、アジア諸国などとの連携がさらに重要になっているとの認識を表明した。
 そうした状況下で日本が昨年12月、国家安全保障戦略など関連3文書を改定したことについて、サンニーノ氏は「非常に喜ばしい進展だ」と歓迎した。日本が今年の先進7カ国(G7)議長国として、経済安保の強化に向け指導力を発揮することにも期待を示した。

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