契約者軽視の「癒着」 ビッグモーターと相互依存―損保ジャパン

東京, 9月9日, /AJMEDIA/

中古車販売大手ビッグモーターの保険金不正請求問題は、緊密な取引関係にあった損害保険ジャパンの白川儀一社長が引責辞任する事態に発展した。損保ジャパンが事故車を紹介、その台数に応じてビッグモーターが自動車損害賠償責任(自賠責)保険契約を割り当てる相互依存の関係は、不正にすら目をつぶる「癒着」に変わり、保険契約者は置き去りにされた。
白川損保ジャパン社長、辞任表明 ビッグモーター問題で引責―取引再開「軽率な行為」

 「大きな経営判断ミスをした」。白川氏は8日の記者会見で後悔を口にした。
 昨年7月6日の役員会議。不正はなかったとするビッグモーターの自主調査について、白川氏は「クロが推測される」と述べながら、追加調査を求めれば「関係は元には戻らない」として取引再開を促した。白川氏は会見で「疑義の追及に時間をかけるより、再発防止策を実行させる方がベターだと判断した」と釈明。「競合他社に取引がシフトする懸念を持っていた」とも打ち明けた。
 損保ジャパンにとって、ビッグモーターは年間100億円以上の収入保険料をもたらす保険代理店。2011年以降計37人の社員が出向。19年にはビッグモーターの全整備工場に、画像だけで保険金支払額を決める「簡易査定」も導入した。
 不正請求が疑われる事案も増えていたが、白川氏は目を背け続けた。「ビッグモーターの反発を恐れ、厳正な対応が取れなかった」という。
 ビッグモーターの水増し請求により、本来不要だった保険を使ったことで等級が下がり、保険料支払いの負担が増した顧客もいる。会見に同席した親会社SOMPOホールディングスの桜田謙悟会長は「痛恨の極み」と語ったが、契約者本位の経営体制を構築できるかが厳しく問われている。

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