初の国産中型ジェット機、就航へ 輸出にハードル―中国

東京, 11月14日, /AJMEDIA/

 中国初の国産中型ジェット旅客機「C919」が、来年にも就航する見通しとなった。中国東方航空が年内に機体の引き渡しを受ける予定だ。開発した国有企業、中国商用飛機(COMAC)は輸出も視野に入れるが、現時点で受注は国内が大半で、海外進出のハードルは高い。
 広東省珠海市で8~13日に開催された中国国際航空宇宙博覧会(珠海航空ショー)では、C919が軍用機に交じって連日デモ飛行。会場上空で自慢の性能をアピールし、COMACは新たに300機を受注した。
 習近平指導部が航空宇宙産業を重視する中、C919の開発には巨額の補助金が投じられたとされる。座席数は158~168席。中国メディアによると、機体価格は米ボーイングや欧州エアバスの競合機を1割ほど下回る。
 ただ、中国以外の航空会社の関心は低い。欧州格安航空大手ライアンエアは一時購入を検討したと伝えられるが、発注に至っていない。
 C919を国際線に投入するには、就航先の国の承認が必要だ。多くの国は米欧の判断を参考に可否を決めるという。しかし、対中関係が冷え込んだ米国が承認するかは不透明。C919はエンジンなどで欧米製品に依存しており、米中関係が一段と険悪化した場合は、機体整備や運航継続に支障が生じる恐れもある。
 もっとも、人口約14億人の中国は国内市場が巨大。専門家は、輸出に頼らずとも航空機事業を成り立たせることは十分可能だとした上で、価格・性能面で中国製旅客機の競争力が高まれば、「購入したい国は多いはずだ」と予想した。

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