ラグビーW杯へ準備着々 観光客数回復に期待―仏

東京, 11月27日, /AJMEDIA/

2023年にラグビーのワールドカップ(W杯)開催を控えるフランスで、選手団やサポーターの受け入れ準備が着々と進んでいる。新型コロナウイルスの感染拡大以降、外国からの観光客数が落ち込む中、地元観光局も「地元を知ってもらうきっかけにしたい」と意気込む。
 ◇「聖地」で日本初戦
 南西部トゥールーズは「ラグビーの聖地」と呼ばれ、数多くの有名選手を輩出している。ラグビー人気も高く、今月20日に市内のスタジアムで行われた日仏代表のテストマッチは、約3万3000席が満席となった。このスタジアムでは、W杯で日本の初戦となる対チリ戦が行われる。
 ラグビーの欧州チャンピオンズカップで最多の優勝回数を誇る1907年創立の地元チーム「スタッド・トゥールーザン」のホームスタジアムに併設した施設は、W杯で日本代表のベースキャンプとなる予定だ。
 W杯組織委トゥールーズ担当代表のセドリック・コル氏は「治安対策と観客の移動手段確保が主な課題だ」と話す。チケットを持たない人も楽しめるよう、大会中はライブ中継やラグビー体験などを行うファンゾーンを設置予定。4万人の来場を見込む。「大会は市のイメージに直結するため、安心して来場できる環境を整えたい」と強調した。
 ◇サッカー人気の地でも
 一方、日本対アルゼンチン戦が行われるナントでは、ラグビーよりもサッカーが盛んだ。W杯組織委ナント担当代表のクレール・ジュエさんは「ラグビーがそれほど盛んでない地域でW杯の試合をするのは、ファン層を広げる上で大きな意義がある」と強調する。会場となるスタジアムでは、W杯と並行してサッカーのリーグ戦も行われる見込み。「装飾の入れ替えが大変だが、サッカーチームと協力して一丸となって取り組む」と意気込む。
 ナントは芸術にも力を入れており、街の至る所に現代アート作品が点在している。ナント出身の小説家ジュール・ベルヌの世界観を表現した遊園地では、鼻から水をまきながら園内を練り歩く巨大な機械仕掛けの象が人気だ。ナント観光局のベネディクト・ペシュローさんは「W杯ではこれまでナントを知らなかった人も来てくれる。魅力にぜひ触れてほしい」と期待を込めた。

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