マクロン、ルペン氏決選へ 前回の対決再現―仏大統領選

東京, 4月12日, /AJMEDIA

フランス大統領選の第1回投票が10日行われ、中道のマクロン大統領(44)と極右政党「国民連合(RN)」のルペン候補(53)が前回選挙に続き決選投票進出を決めた。内務省によれば、得票率はそれぞれ27.8%と23.2%だった。決選投票は24日に行われる。
 投票直前の世論調査では、ルペン氏が支持率で1ポイント差まで迫っていたが、マクロン氏が想定よりやや差をつける結果となった。ロシアによるウクライナ侵攻に国民の注目が集まり、過去最低だった2002年の約72%を下回ると懸念されていた投票率は、73.7%だった。
 選挙戦序盤ではマクロン氏が、ウクライナでの停戦に向けロシアのプーチン大統領と何度も電話会談するなど仲介に奔走し、高い支持を得た。ただ、戦闘が長期化する中で、定年退職年齢の引き上げをはじめとする公約への有権者の反発が強まり、支持率は低下。他候補との討論を拒否したことも「逃げている」と批判を受けた。
 マクロン氏は最終盤で既存政党の支持者を一定程度取り込んだとみられる。同氏は投票終了後、パリで行われた集会で「あなた方の信頼を名誉に思う」と支持者に謝意を表明。「見誤ってはならない。まだ何も勝負はついていない」と述べ、陣営の引き締めを図った。
 一方、ルペン氏は、人種差別的イメージを排除する「脱悪魔化」と呼ばれる穏健化戦略を取り、従来の反移民的主張を抑えて物価高騰に苦しむ家計支援策などを強調。過激な言動で注目を浴びた極右政治評論家ゼムール候補の登場も、保守層のルペン氏への抵抗感を和らげる結果となった。
 ルペン氏はパリで開かれた集会で「私が現職と決選に進出する名誉にあずかった」と支持者らにあいさつ。「マクロン氏に投票しなかった人は全て合流すべきだ」と呼び掛けた。
 選挙戦終盤で追い上げを見せていた急進左派「不屈のフランス」創設者のメランション候補は22.0%の得票率で3位と善戦した。ゼムール氏が得票率約7.1%でメランション氏に次いだ。
 共和党のペクレス候補は4.8%、社会党のイダルゴ・パリ市長は1.8%の得票率にとどまった。前回選挙に続き初戦敗退を喫した保革二大政党は、6月に行われる総選挙に向け党の立て直しを急ぐ。

Follow us on social

Facebook Twitter Youtube

Related Posts