プロ野球 セ・リーグMVPに阪神 村上頌樹投手 新人王と同時受賞

東京, 12月04日, /AJMEDIA/

プロ野球の今シーズンのMVP=最優秀選手が発表され、セ・リーグでは阪神の38年ぶりの日本一に貢献した村上頌樹投手が初めて受賞しました。
村上投手はセ・リーグでは史上初となる新人王との同時受賞となりました。

また、パ・リーグでは3年連続で先発投手の主なタイトル4つを獲得したオリックスの山本由伸投手がイチロー選手以来となる3年連続の受賞となりました。
《MVPは阪神・村上投手/オリックス・山本投手》
プロ野球のMVPは、記者などが1位から3位までを投票してその合計で決まります。

セ・リーグのMVPに選ばれた阪神の25歳、村上投手は昨シーズンまで1軍での登板はわずか2試合でしたが、3年目の今シーズン、22試合に登板して10勝6敗、防御率1.75の成績を残し、初めて最優秀防御率のタイトルを獲得したほか、38年ぶりの日本一に大きく貢献しました。

村上投手は、新人王も獲得していて、パ・リーグでは1980年に日本ハムの木田勇投手、1990年にオリックスと合併前の近鉄の野茂英雄投手の2人が新人王とMVPの同時受賞を果たしていますが、セ・リーグでは史上初めてとなりました。

一方、パ・リーグのMVPに選ばれたオリックスの25歳、山本投手は7年目の今シーズン、16勝6敗、防御率1.21、169奪三振、勝率7割2分7厘の成績をマークし、最多勝、最優秀防御率、最高勝率、それに最多奪三振と、先発投手の主なタイトル4つを史上初めて3年連続で獲得しました。

また、先発完投型のピッチャーに贈られる「沢村賞」にも3年連続で選ばれました。

3年連続でのMVP受賞は、1976年から1978年にかけて受賞したオリックスの前身、阪急の山田久志投手と、1994年から1996年にかけて受賞したオリックスのイチロー選手以来で、セ・パ両リーグを通じて3人目です。

パ・リーグMVP 山本由伸「偉大な先輩に追いつけるように」
パ・リーグのMVPを受賞したオリックスの山本由伸投手は「去年、おととしに続いて3年連続で受賞することができてうれしい。1試合1試合を振り返ると内容の悪い試合もあったが、1年間通してしっかりいいパフォーマンスが出せたと思う」と振り返りました。

また、3年連続の受賞はイチロー選手以来となったことについては「野球界、オリックスの大先輩ですし、イチローさんと同じことができたことはうれしいが、偉大な大先輩なので少しでも追いつけるように日々頑張っていきたい」と話しました。

そのうえで、今シーズンかぎりでプロ野球から大リーグ移籍を目指すことについては「ことしは日本シリーズも負けてしまったし、やり残したことはないと言い切れないが、順調なプロ野球生活を送れたと思う。新たなステージのスタートラインに立つので、もっとレベルアップしていかないといけない。1日1日を大切に努力を積み重ねていきたい」と意気込んでいました。

《新人王は阪神・村上頌樹投手/オリックス・山下舜平大投手》
新人王には、セ・リーグでは有効票306票のうち285票を獲得した阪神の村上投手が選ばれました。

村上投手は、おととしドラフト5位で入団した25歳、昨シーズンまで1軍での登板はわずか2試合でしたが、今シーズンは安定感のあるピッチングが光り、10勝6敗、防御率1.75の成績で、最優秀防御率のタイトルを初めて獲得したほか、チームの38年ぶりの日本一に大きく貢献しました。

阪神の選手が新人王に選ばれるのは2016年の高山俊選手以来、7年ぶり9人目です。

一方パ・リーグの新人王には有効票267票のうち241票を獲得したオリックスの山下舜平大投手が選ばれました。

山下投手は21歳、おととし、ドラフト1位で入団した3年目の右ピッチャーです。去年まではケガの影響もあり1軍での登板はありませんでしたが、今シーズンは開幕投手に抜てきされました。

身長1メートル90センチ、体重98キロの大柄な体格を生かした最速160キロ近い力強いストレートと落差の大きいカーブが持ち味で、16試合に先発し、9勝3敗、防御率1.61の成績をマークしました。8月末に腰を痛めてチームを離脱しましたが、オリックスのリーグ3連覇に貢献しました。

オリックスの選手が新人王に選ばれるのは宮城大弥投手以来、2年ぶり11人目です。

セ・リーグMVP・新人王 村上頌樹投手「勝ち取れてよかった」
セ・リーグの新人王を受賞した阪神の村上頌樹投手は「チャンスはあると思っていたが、こうして受賞してやっととれたという感じがしてうれしい」と喜びを語りました。

そして同じく新人王を争ったチームメートの森下翔太選手とのやりとりも明かし「あいつからは『3年目やからええやろ。1年目に譲れ』と言われたが、そこは自分が勝ち取れてよかった」と笑顔を見せていました。

そして印象に残ってる試合に初先発で7回まで投げ1人のランナーも出さないパーフェクトピッチングを続けた4月の巨人戦をあげ「緊張もしたが、7回完全で、4番の岡本和真選手からも三振をとれて、一番自信になった」としたうえで「自分も阪神ファンとして日本一から遠ざかっていたことはわかっていて、なんとか日本一をと思っていたので、チームとしても自分としてもとてもいいシーズンになった」と充実した表情で振り返りました。

MVPを受賞したことについて「ほかにもたくさんいい選手がいるので、まさか自分がとるとは思っていなかった。とても光栄な賞なのでうれしいし、これからが大事だなと思う」と気を引き締めていました。

また、セ・リーグでは史上初となるMVPと新人王との同時受賞となったことについて「プロ野球では野茂さん以来、セ・リーグでは初めてなのでそこに名を刻めたことはとてもよかった」と話しました。

そのうえで来シーズンに向けては「一番の目標にしている最優秀防御率のタイトルを2年連続でとりたい。そして、ことし以上の成績を求めてやっていき、10勝以上、防御率もさらに下げていきたい」と意気込んでいました。

パ・リーグ新人王 山下舜平大投手「どれも1番になりたい」
パ・リーグの新人王に輝いたオリックスの山下舜平大投手は「シーズンが始まった段階では全く意識していなかった。自分だけの力ではできないことで、とてもうれしく思う」と喜びを語りました。

そして、かけられたことばの中で印象に残ったものを問われると「初めての経験ばかりの1年だったが、特に中嶋監督の存在が大きかったと思う。『自分のボールに自信を持って投げることだけだ』と言われたので、1年間自信を持って自分の投球ができた」と振り返りました。

来シーズンに向けては「1年通して投げるというのが先発の役割だと思うので、そこが大きな課題だ。どれも1番になりたいと思って練習しているが、その中でも防御率にこだわりたい。与えられたポジションで自分のやるべきことを全力でやりたい」と意気込みを話しました。

正力松太郎賞の特別賞 大谷翔平選手「受賞できて光栄」
28日の「NPBアワーズ」の中では、ことしのプロ野球に最も貢献した人に贈られる「正力松太郎賞」の表彰も行われ、2度目の特別賞を受賞した大リーグ、エンジェルスの大谷翔平選手からのメッセージが寄せられました。

大谷選手は「今シーズンの成績とWBCの優勝を評価いただき、2度目の正力松太郎特別賞を受賞できて光栄です。受賞式で栗山監督、WBCのチームメートにお会いできないのは残念ですが、また会える時を楽しみにしています。来シーズンも引き続き応援をよろしくお願いいたします」とコメントしました。

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