ブラックホール同士が近接 108億光年先、銀河合体過程―千葉大など

東京, 4月6日, /AJMEDIA/

地球からふたご座の方向に108億光年も離れた所で、銀河の中心にある超大質量のブラックホール同士が近接している様子をハッブル宇宙望遠鏡などで観測したと、千葉大や米イリノイ大などの国際研究チームが6日付の英科学誌ネイチャーに発表した。二つのブラックホールの距離は約1万光年しか離れておらず、2億年後には互いに重力で結び付き、周囲の銀河もほぼ合体する見通しだという。
恒星が壊れ、明るい光観測 85億光年先のブラックホール―国際チーム

 銀河とその中心にあるブラックホールは合体を繰り返して成長すると考えられている。質量の大きなブラックホールには周りのガスやちりが猛烈な勢いで回転しながら引き寄せられるため、明るく輝いて見える。しかし、二つが近接している場合は望遠鏡で識別するのが難しく、これまでは地球から比較的近い所でしか観測できていなかった。
 今回観測したブラックホールは、宇宙が誕生してから約30億年後の姿を捉えたことになる。質量は二つとも太陽の約10億倍と推定された。千葉大の大栗真宗教授によると、2021年に打ち上げられた高性能なジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡などにより、今後は遠い所で近接したブラックホールが続々と見つかり、成長過程の研究が進むと期待される。

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