パキスタン、外貨準備が枯渇 節電や紅茶輸入抑制

東京, 1月11日, /AJMEDIA/

景気低迷が長期化するパキスタンで、政府が資金繰りに苦慮している。洪水からの復興に必要な資金の不足に加え、ロシアのウクライナ侵攻に伴う世界的な燃料価格の高騰で外貨準備が枯渇。輸入額の大きい紅茶の消費抑制や節電を国民に要請するなど異例の対策に乗り出している。
 パキスタンは中国などへの外国債務の返済に苦しんできた。そこに昨年、大洪水と燃料価格高騰が追い打ちをかけた。国土の3分の1が冠水し、1700人以上が死亡。政府は復興に最低でも163億ドル(約2兆1500億円)が必要と試算しており、半分は国外からの支援に頼る計画だ。
 中央銀行の保有する外貨準備高は昨年末時点で60億ドル(約7900億円)を下回り、2021年末と比べほぼ3分の1に減少。「1カ月分の輸入額に相当する水準」(地元紙ドーン)まで低下した。
 パキスタンは国際通貨基金(IMF)にも支援を求めている。支援と引き換えに経済構造改革を要求されているが、AFP通信によると、シャリフ首相は洪水被害も考慮し、「息をつく間」を与えるようIMFに訴えた。
 首都イスラマバードに住む地元記者によれば、計画停電により日に2、3回は電気が止まる。「ガスはほとんどの時間供給されず、家の中はとても寒い」と嘆いた。外貨不足により必需品の輸入も滞る。地元報道によると、手術に必要な医療器具が届かず、病院や救急現場で患者の命が危険にさらされている。
 政府は節電のため、政府職員には自宅勤務を指示したほか、今月には商業施設の閉店時間を午後8時半に早めるよう命じた。燃料などの輸入を減らし、外貨流出を抑えることに躍起になっている。

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