ナワリヌイ氏支持者100人超拘束 戦時下デモ、広がり欠く―ロシア

東京, 6月6日, /AJMEDIA/

ロシアで収監中の反体制派指導者アレクセイ・ナワリヌイ氏の釈放を求めて呼び掛けられたデモは4日、国内20都市以上に広がり、人権団体によると100人以上が拘束された。プーチン政権はウクライナ侵攻下、反戦デモを含めた言論の自由への締め付けを強めているが、それでもプラカードを手に街頭に出る支持者が現れた。
デモで拘束者100人超 ナワリヌイ氏釈放訴える

 「お誕生日おめでとう」。首都モスクワ中心部「プーシキン広場」では、こう記された風船を持つ人が拘束された。6月4日はナワリヌイ氏の47歳の誕生日。参加者は集団ではなく、当局の事前許可が不要となる単独でのデモを選んだが、警官隊は問答無用で拘束し、モスクワだけで50人が連行された。
 ただ、過去と比べてデモが広がりに欠いた面は否めない。ナワリヌイ氏が2020年夏にロシア国内で毒殺未遂に遭い、ドイツでの療養を経て21年1月に帰国し、収監された直後も、釈放を求めるデモは複数回起きた。拘束者は最多で1日5000人以上。今回の約50倍だった。
 参加者減少には戦争が影を落としていると言えそうだ。昨年2月のウクライナ侵攻開始後、ロシア国外でナワリヌイ氏を支持するデモはあったが、国内で大々的に呼び掛けられるのは初めて。プーチン政権の弾圧の結果、抗議の声を拡散する独立系メディアが国外に拠点を移してデモを現場取材できず、参加する可能性があったリベラルな若者らも昨年9月の部分動員令で出国が進んだ。
 ナワリヌイ氏の陣営幹部らが、安全な外国に逃れながらデモを計画した点も問題視された。「国内のロシア人に参加を呼び掛けるのは、非倫理的であるだけでなく危険だ」。陣営の地方支部の元トップは、珍しく内部批判を展開した。

Follow us on social

Facebook Twitter Youtube

Related Posts