タイで「高専」に熱視線 日本の制度導入、技術者育成

東京, 12月24日, /AJMEDIA/

タイで日本の高等専門学校(高専)の教育制度を取り入れ、エンジニアを育てる学校「KOSEN」への期待が高まっている。中学卒業後の5年間、高専のカリキュラムで指導。優秀なエンジニアの輩出を目指しており、タイに多数進出する日系メーカーから熱い視線が注がれている。
 タイ政府の経済開発戦略に寄与する人材の育成を目的に、円借款事業として設置が決定。2019年5月にキングモンクット工科大学ラカバン校にKOSEN―KMITL、20年5月に同大トンブリ校にKOSEN―KMUTTがそれぞれ1学科で開校した。KMITLは23年、KMUTTは24年に3学科がそろう。
 「起立、礼」。今月16日、KOSEN―KMITLメカトロニクス工学科1年の実験教室に入ると、日本語のあいさつが聞こえてきた。生徒らは日本人とタイ人の教員の説明に熱心に耳を傾けながら、はんだ付けの作業を始めた。
 日本式の教育は人気を集め、志願倍率は40~100倍。全国から優秀な若者が集まり、知識と技術を吸収している。授業料には奨学金が充てられ、生徒の負担はない。日本の国立高等専門学校機構は物理や数学の教員を派遣。日本人教員の授業は英語で行う。
 編入試験を経て日本の高専に移ることもできる。来年5月に高知高専に編入するKOSEN―KMITL2年のスコンタナー・タンヤワッタナーさん(16)は、日本語を交えながら「地球温暖化など世界的問題に対処する技術革新に取り組みたい」と夢を語った。
 KOSEN―KMUTTで教壇に立つ高専エキスパートの藤原誠之氏は「生徒はフットワークが軽く、日本との懸け橋になるエンジニアに育ってほしい」と話している。

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