ウクライナに欧州の主力戦車集結 「戦場に違い生む」―40両超到着、領土奪還狙う

東京, 4月3日, /AJMEDIA/

【ベルリン時事】ロシアの侵攻を受けるウクライナが切望してきた西側諸国の主力戦車が続々と集まり始めている。英国やドイツなど10カ国超が供与に加わった「戦車連合」からは40両以上が到着。反転攻勢の機会をうかがうウクライナ軍は、ロシア軍戦車との性能差を生かし、領土奪還につなげたい考えだ。
主軸を担うのはドイツ製の「レオパルト2」。移動しながら数キロ先の標的を攻撃できる精密さに、スピードと高い防御力を併せ持つ。ポーランドやカナダ、ノルウェー、スペインなどの保有国が供与に参加。全体で独政府が目標とした戦車大隊2個分(60両前後)を超える見通しだ。
 ドイツなどで実施されたウクライナ兵に対する習熟訓練はおおむね終了。担当した独軍幹部はメディアに、一連の兵器支援で「(戦場に)違いが生じる。ウクライナ軍が主導権を取り戻す」と語った。米シンクタンクの軍事専門家も米欧の主力戦車について「ロシア軍が築いた陣地を突破し、追い詰めるだけの優れた火力と機動力がある」と解説している。
 対するロシアは打つ手に乏しいのが実情とみられる。プーチン大統領は戦車供与に反発して、核保有国として取り得る「対抗手段」に言及。核の威嚇で米欧を揺さぶり、ウクライナにとって頼みの綱である支援の先細りを狙う。軍需産業へのてこ入れも伝えられ、長期戦に持ち込みたい思惑もありそうだ。
 ウクライナのレズニコフ国防相は「1年前はこれほど強力な支援は想像できなかった」と自信を示しているが、万全とは言えない。第2陣として、米国製戦車「エイブラムス」が秋にも届き、さらに旧式のレオパルト戦車が100両超供与される見込み。それでも、ウクライナ軍が必要だと主張する300両には届かない。
 気温の上昇でぬかるんだ地面が固まれば戦車部隊が本領を発揮できる環境が整う。ロシア側もウクライナの攻勢を迎え撃つ構えで、一段と激しい戦闘が予想される。

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