「水しぶきから黒煙」 悪天候の中、懸命捜索―陸自ヘリ事故

東京, 4月8日, /AJMEDIA/

10人が搭乗した陸上自衛隊のヘリコプターが行方不明となった沖縄県・宮古島沿岸部の海上では7日、降りしきる激しい雨と荒波の中、自衛隊と海上保安庁が懸命に捜索を続けた。「早く見つかって」。現場海域周辺の住民からは無事を願う声が聞かれ、「水しぶきから黒煙が上がった」との目撃証言も寄せられた。
消失2分前の交信正常 管制と会話、直後に異変か―陸自ヘリ事故

 宮古島に近い池間島と伊良部島の沿岸ではこの日、悪天候で視界不良の中、双眼鏡を手にした陸自隊員や、不安げに沖合の海面を見詰める住民の姿があった。
 6日午後5時ごろ、伊良部島北端の白鳥岬からサーファーを眺めていた内装業の矢寺賢次さん(46)は、沖合で「5メートル以上あったのでは」という水しぶきが上がるのを見た。クジラだと考え、撮影しようしたところ、黒煙が20分以上立ち上った。直後に海保の巡視船や航空機が集まり始め、岬には陸自隊員らが駆け付けた。後になって「黒煙を吐くクジラはいない」と不審に思ったという。
 漁師の与座和保さん(42)は、急行する巡視船を港で見掛け、異変に気付いた。「島でこうした事故が起こるのは怖い。島の人に被害が出なくて良かったが、何より乗員が心配だ。早く見つかってほしい」と願った。
 一方、上空が飛行経路だったとされる池間島の住民は発生当時、耳慣れない低空飛行の重低音を耳にしていた。60代男性漁師は6日午後4~5時ごろ、「大きな音」に違和感を覚えたと話す。
 宮古島海上保安部の山添岳大警備救難課長は7日、平良港で取材に対し、「今のところ手掛かりはない。視界が悪い中で、レーダーや赤外線カメラなど、あらゆる手段を用いている」と述べた。

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