「人の殺し合いだめ」 最年少参列の7歳―曽祖父思い、追悼式に・終戦記念日

東京, 8月16日, /AJMEDIA/

 「戦争は人の殺し合いだからだめです」。全国戦没者追悼式で最年少参列者となった高知市の小学2年磯野万葉君(7)は、はにかみながらもはっきりとした口調で話した。曽祖父の吉川重久さんは1942年11月に30歳で戦死。万葉君は遺族会の活動などで戦争について学んできたといい、初めて参列した式典で恒久平和を誓った。
 叔父の吉川裕三さん(57)によると、重久さんは「当時は珍しい、家事を手伝う優しい人」だった。旧満州などに派遣された後、太平洋戦争の激戦地、東部ニューギニア(現パプアニューギニア)で亡くなった。
 戦死した際の詳しい状況は分からず、裕三さんは「本人は死ぬつもりはみじんもなかったと思う。食料も弾薬もない中、さぞ無念だっただろう」と話す。「遺品」としてたばこケースと眼鏡が届いたが、本人はたばこを吸わず、眼鏡も掛けていなかったことから、お墓には自宅にあった腕時計を納めた。
 万葉君は小学校入学前から、遺族会の慰霊碑の清掃活動に参加するなどしてきた。重久さんについては「おじいちゃんが2歳の時に戦争に行って、ひいおじいちゃんは亡くなりました」と話すものの、「分からないことも多いです」。参列が決まってからは、「火垂(ほた)るの墓」で知られる故野坂昭如さん原作の映像作品を鑑賞するなどし、戦争がもたらす悲劇に触れてきたという。
 裕三さんは「まだ理解できていないことも多い。ただ戦没者の慰霊をしているということ、戦争の記憶継承のため続けないといけないことに、いつか気付いてほしい」と話す。

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