G7の結束が焦点 中国の威圧に―細川昌彦明星大教授

東京, 5月16日, /AJMEDIA/

経済安全保障に詳しい明星大学の細川昌彦教授はインタビューに応じ、覇権主義的な動きを強める中国の経済的威圧に対して「先進7カ国(G7)が結束して共同で対処できるかが焦点だ」と述べた。主なやりとりは次の通り。
 ―G7首脳会議(広島サミット)の注目点は。
 G7の結束と、「グローバルサウス」と呼ばれる新興・途上国の取り込みの二つだ。中国の経済的威圧にG7がいかに結束し、共同で対処できるかが焦点だ。
 ―対処の具体策は。
 まずは損害を救済することだ。ある国が中国から威圧を受けたら、被害を最小限にするためにG7が支援することが大事だ。さらに、(輸出入停止や投資制限など)対抗措置を共同で講じるようにする。日本も対抗手段の整備に早急に取り組むべきだ。
 ―グローバルサウスの取り込みとは。
 G7と同志国によるサプライチェーン(供給網)強化の中にグローバルサウスを入れることだ。インドは米国が提唱する経済圏構想「インド太平洋経済枠組み(IPEF)」と、日米印とオーストラリアの枠組み「クアッド」の参加国。東南アジア諸国連合(ASEAN)の大部分もIPEFに参加しており、こうした枠組みを通じて日本は脱炭素化や供給網強化を進めていけばいい。
 残る中南米、中東、アフリカとも地域ごとに戦略を積み上げていくべきだ。
 ―G7議長国として日本の役割は。
 米国は、昨年8月に成立したインフレ抑制法で国内産業に手厚い補助金を支給するように、保護主義を強めている。欧州連合(EU)も米国への投資流出を懸念し、対抗措置を打ち出した。補助金合戦にならないように、あつれきを強める米欧を取り持つことが重要だ。

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