記憶に残るエンターテイナー 田中刑事さん、指導とショーへ

東京, 5月10日, /AJMEDIA/

 フィギュアスケート男子の2018年平昌五輪代表で、現役引退した田中刑事さん(27)には記憶に残る演技が多い。4月下旬の記者会見。印象深い大会やプログラムを聞かれ、「何も思い浮かばなかった。どの試合も何かしらのエピソードがある」と率直に語った。
 曲はクラシックなどの王道に偏らない。昨季のショートプログラムには、アニメ映画「シン・エヴァンゲリオン劇場版」の楽曲を使った。人気漫画「ジョジョの奇妙な冒険」の曲で何度も観客を盛り上げたエキシビションは代表作と言える。
 競技生活そのものは「ほとんどが苦しい時間だった」。平昌五輪の切符は激しい代表争いを勝ち抜いて手にしたが、18位と悔しさを味わった。3度出場した世界選手権でも満足な成績を残せず、近年はけがもあり苦戦が目立った。
 北京五輪代表入りに望みを懸けた昨年末の全日本選手権で11位に終わり、区切りをつけた。「折れずに最後まで続けてきたことは、これからの糧になる」と、はっきり思える。
 競技者としての喜びも厳しさも知るエンターテイナー。今後は指導者とプロスケーターの両立を目標に掲げる。「大変難しいことだと覚悟している。思いを体現できるように努力していく」。強い決意を込め、第二のスケート人生へ一歩を踏み出した。

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