習氏、「核心」譲れず 中国、対日重視も台湾で溝―首脳会談

東京, 11月18日, /AJMEDIA/

中国の習近平国家主席(共産党総書記)は、米中の緊張が続く中、3年ぶりとなる対面の日中首脳会談で対日関係を重視する姿勢を示した。ただ、中国が「核心的利益」と位置付ける台湾や、内政問題と主張する沖縄県・尖閣諸島を巡る溝は容易に埋まらず、両国関係改善への道筋は依然見通せない。
 習氏は岸田文雄首相との会談冒頭、「中日関係の重要性は変わっておらず、これからも変わらない」と表明し、「新時代の要求に合った関係の構築」を呼び掛けた。
 米中対立の長期化や厳格な「ゼロコロナ」政策の影響で国内の景気が低迷する中、経済面で日本との結び付きを強化したいのが習氏の本音とみられる。党機関紙・人民日報系の環球時報英語版は会談に先立ち、「供給網の安定化や地域の経済回復で、両国は協力できる。適切に相違点を処理すれば、関係は良い方向に発展する」という識者のコメントを伝えた。
 だが、岸田氏が17日の会談で言及した台湾や尖閣問題は、習氏にとって一切妥協できない分野だ。13日の東アジアサミットで、岸田氏が「日本の主権を侵害している」と中国を名指しで批判したことに対し、環球時報は「ばかげている」と一蹴。岸田氏が台湾や人権問題に言及したことにも触れ、首脳会談を前に「水を差す」行為だと非難した。
 習氏は10月の共産党大会を経て、3期目指導部を発足させた。日中関係に詳しい中国の専門家は、長期政権に入る習氏の外交姿勢に当面変化はないと分析。「両国間の具体的な問題や相違は解消されないだろう」という見方を示す一方、習氏一強の下で「トップ同士の対話がより重要になってくる」とも指摘した。

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