岸田首相連発「しっかり」「検討」 低姿勢に野党攻めあぐね―参院予算委

東京, 12月18日, /AJMEDIA/

 参院予算委員会は17日、2021年度補正予算案に関する2日間の基本的質疑を終えた。野党は国土交通省による統計データ書き換え問題などを追及したが、岸田文雄首相は「しっかり行う」「検討する」を連発。低姿勢を貫く首相答弁に野党は攻め手を欠いた。
 「しっかり反省し、二度と起こさないためにはどうしたらいいか真剣に考える。私の政府でしっかり行いたい」。共産党の小池晃書記局長から政府統計の一斉点検を行うよう求められた首相は点検には言及せず、丁寧に対応する姿勢を強調。小池氏は診療報酬の大幅引き上げも迫ったが、首相は「さまざまな意見を頂いている。しっかりと予算編成過程の中で検討したい」とかわした。
 「しっかり」「検討」といった一見前向きな言葉を多用し、野党の言い分にも一定の理解や配慮を示す首相。野党の追及に時に色をなして反論した安倍晋三元首相や、答弁書の棒読みを繰り返した菅義偉前首相とは明らかにスタイルが異なる。
 国民民主党幹部は「野党の主張を受け止めているように聞こえるが結果的には何も言っていない。のれんに腕押しで攻めづらい」と吐露。共産党幹部も「言葉は丁寧だけど答えない。つまらない」といら立ちを隠さない。
 新執行部に代わった立憲民主党が追及型から政策提案型にシフトしつつあることも、首相に有利に運んでいるようだ。
 立民の泉健太代表は記者会見で、18歳以下への現金給付や統計書き換え問題で首相が野党の言い分を受け入れたとして「非常に成果のある臨時国会だ」と自賛。「野党の迫力不足」との見方には「真剣勝負だ。(国民が見たいのは)プロレスの派手な技ではない」と反論、今後も提案型質疑を続ける考えを示した。

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