大学入試の人種優遇「違憲」 多様性確保に転換点―米連邦最高裁

東京, 6月30日, /AJMEDIA/

【ワシントン時事】米連邦最高裁は29日、ハーバード大学とノースカロライナ大学が採用する人種を考慮した入学選考について、法の下の平等を定めた憲法修正第14条に「違反している」と判断した。学内の多様性を確保する手段として黒人ら人種的マイノリティー(少数者)を選考で優遇する「アファーマティブ・アクション」(積極的差別是正措置)が見直しを迫られた形だ。
米ハーバード大に初の黒人学長 女性で2人目

 最高裁の9人の判事のうち保守派6人全員が違憲を支持した。昨年の人工妊娠中絶の権利を否定する判決に続き、長く維持されてきたリベラルな政策を覆した。
 バイデン大統領はホワイトハウスで声明を読み上げ、「裁判所の決定に強く異議を唱える。米国に差別は依然として存在する」と訴えた。
 この訴訟は2014年、NPO「公平な入学選考を求める学生たち」(SFFA)が、ハーバード大はアジア系の人物評価に意図的に低い点数をつけていると主張して起こした。是正措置の対象でないアジア系が「差別」され、黒人らは人種によって優遇されているという構図をつくりだしていた。
 ノースカロライナ大チャペルヒル校も、入学選考で不必要に人種を考慮しているとしてSFFAが訴えた。
 ロバーツ最高裁長官は「学生は人種ではなく、経験に基づく個人として扱われなければならない」との見解を示した。一方、ハーバード大は声明で「多様性と相違は学問的な卓越性に不可欠だ」とし、「裁判所の新たな判決に反することなく、われわれの本質的な価値を維持する方法を決める」と述べた。

Follow us on social

Facebook Twitter Youtube

Related Posts