夢のボールパーク3月開業 日本ハム、エスコンフィールド―新本拠地北広島市に活気・北海道

東京, 1月4日, /AJMEDIA/

 プロ野球日本ハムの新球場「エスコンフィールドHOKKAIDO」を含む複合施設「北海道ボールパークFビレッジ」が3月、北海道北広島市で開業する。総工費は約600億円。野球観戦はもちろん、球場内外に楽しめる仕掛けが豊富にある夢のボールパークだ。新本拠地となる北広島市は、「北海道の新たなシンボル」に育てようと活気づいている。
▽入浴しながら観戦も
 日本初となる開閉式の屋根を備えた天然芝球場は、最多で3万5000人を収容する。メインの入り口は一面ガラス張り。縦16メートル、横86メートルの大型ビジョン2面や、臨場感を味わえる観客席を設けた。
 球団の前沢賢事業統括本部長は「それぞれの楽しみ方を見つけてほしい」とアピール。選手が使うロッカールームなども充実しており、2022年11月に訪れた新庄剛志監督は「選手が見たらものすごくテンションが上がると思う。世界一の球場」と評価した。
 前沢氏が球場の「象徴」と誇るのが、左翼後方にある5階建ての「TOWER11(タワー・イレブン)」だ。ホテルや温泉、サウナなどを備え、プレーを見ながら利用できる。名称は、米大リーグで活躍するダルビッシュ有投手と大谷翔平選手が日本ハム時代に背負った番号にちなんだ。
 「われわれが(これまでの球場の常識とかけ離れたことを)やろうとしている意思や哲学が見えたらいい」と前沢氏。「一般の方に関心を持ってもらうには、今まで野球になかった機能を入れるべきだ」と考え、球場内に子どもの遊び場やビール醸造所もある。周辺には商業施設やレジャー施設、分譲マンション、認定こども園なども立地し、野球ファン以外の関心も集めそうだ。
 開業初年度は、Fビレッジ全体で来場者300万人を目指す。前沢氏は収益も重要だが、「まずは多くの人に来てもらうことが入り口になる」と強調。ようやく動きだす壮大なプロジェクトに、期待で胸を膨らませる。
▽経済効果1634億円超
 迎え入れる北広島市は、新球場を活用したまちづくりを進めている。道路などにネーミングライツ(命名権)を導入。歩道橋は、新庄監督にちなみ「ビッグボスブリッジ」と名付けた。町名もFビレッジがある地域は「Fビレッジ」に変更した。
 市の玄関口、JR北広島駅の西口では、球場を結ぶシャトルバス乗り場が整備される予定。飲食店やホテルなどが入る高層複合施設も24年度に完成する見通しだ。交通アクセスを巡っては、球場近くに新駅を設置する構想も持ち上がっている。
 新球場が一因とみられる効果や影響は既に出始めている。住宅需要が高まり、戸建てやアパートの建築が増加。市によると、誘致前から転入者数が転出者数を上回る「社会増」の傾向にあったものの、転入の動きが加速したという。
 地価は「転入者が他の自治体に流れてしまう」(市担当者)と懸念されるほど上昇。22年の公示地価では、住宅地の上昇率で全国上位10地点のうち、7地点が北広島市だった。
 関西大の宮本勝浩名誉教授の試算によれば、新球場の北海道への経済効果は初年度までで約1634億6200万円、今後10年間で見ると約6788億1700万円に上る。上野正三市長は「市を挙げて北海道の新たなシンボルとなるよう努めたい」と意気込む。

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