国連でロシア再び孤立 賛成141カ国、決議採択―連帯拡大に課題・ウクライナ侵攻1年

東京, 2月25日, /AJMEDIA/

国連総会(193カ国)は23日(日本時間24日)、ロシア軍の即時撤退や平和の早期達成を訴えるウクライナ提案の決議を日米など141カ国の賛成多数で採択した。加盟国の7割超が支持し、米欧日はロシアの孤立化に再び成功した。ただ、約50カ国が棄権や反対などに回り、ウクライナへの連帯拡大にはなお課題が残る。
 国連総会は22、23両日、ロシアのウクライナ侵攻開始1年に合わせて緊急特別会合を開いた。侵攻を巡る決議採択は1年間で6本目。途上国を中心に「ウクライナ疲れ」が広がる中、幅広い国から賛同が得られるかが焦点だった。
 ウクライナのクレバ外相は22日の会合で「さまざまな理由でウクライナの味方をしたくない国がまだあることは理解している」と演説。その上で「それなら国連憲章の側に立とう。われわれの共通のルールだ」と結束を呼び掛けた。
 また、決議は「多くの国が支持できる」(外交筋)ように、ウクライナへの言及だけでなく、途上国が影響を受けやすい食料安全保障やエネルギー供給などへの「悪影響に深い懸念をもって留意する」とも明記した。
 結果、反対はロシア、ベラルーシ、北朝鮮、シリア、エリトリア、ニカラグア、マリの7カ国にとどまり、過去最多の賛成国数(143カ国)だった昨年10月の「併合」非難決議に匹敵する賛成票を獲得した。
 クレバ氏は採択後、報道陣を前に「ウクライナへの支持が西側諸国だけではない証拠となった」と歓迎。ゼレンスキー大統領も各国の「揺るぎない支持」に感謝のツイートを投稿した。
 国連でのロシア包囲網強化のため「一対一からグループ会合まで数多くこなし、懸命に取り組んでいる」と明かしていたトーマスグリーンフィールド米国連大使は「世界の国々がウクライナと共にあることを示した」と振り返り、安堵(あんど)の表情を浮かべた。
 一方で、中国やインド、南アフリカなど32カ国は棄権した。米欧と共に支持拡大に奔走した日本の外務省関係者は「これで終わりではない」と強調、今後も働き掛けを続けると語った。
 ウクライナ侵攻を巡っては、24日(同25日)には安全保障理事会が閣僚級会合を開催。林芳正外相も参加した。

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