南シナ海めぐり“中国と現状維持図る合意あった”比前政権高官

東京, 04月06日 /AJMEDIA/

中国と対立する南シナ海をめぐり、フィリピンのドゥテルテ前政権の高官がNHKのインタビューに応じ、両国の争いを避けるため、現状の維持を図る合意があったことを明らかにしました。地元メディアは中国側が最近、フィリピンの船への妨害行為を強めているのは、今のマルコス政権によってこの合意がほごにされたことが要因だとの見方を伝えています。

南シナ海のセカンド・トーマス礁周辺では去年以降、フィリピン政府の船が中国海警局の船などに放水されたり衝突されたりする事案が相次いでいます。

これに関連して、ドゥテルテ前政権で大統領府報道官を務めたハリー・ロケ氏が5日、NHKのインタビューに応じました。

この中でロケ氏は「両国が現状維持を尊重するという紳士協定を承認することは前政権の南シナ海政策の土台だった。対立を避け、貿易や投資などやるべき政策を行うためだった」と述べ、フィリピンと中国のあいだに南シナ海の現状維持を図る合意があったことを明らかにしました。

具体的にはセカンド・トーマス礁で、フィリピンが軍の拠点に建造物をつくったり修理したりしない見返りに食料などの補給を中国側が認めていたとしています。

さらにこの合意は、ドゥテルテ政権の前から存在したと明かしています。

そのうえで、ロケ氏は「現政権は中国を挑発し、より暴力的な対応へとつながっていると思う」と述べ、マルコス政権がこの合意を守らず、中国に厳しい姿勢を取っていることに懸念を示しました。

地元メディアは、最近の中国側による妨害行為は、マルコス政権によって、この合意がほごにされたと反発しているためだとの見方を伝えています。

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