企業に広がる「生成AI」 リスクを管理、効率化へ先取り

東京, 5月1日, /AJMEDIA/

国内企業の間で、対話型人工知能(AI)「チャットGPT」に代表される生成AIを活用する動きが広がってきた。インターネット上の膨大な情報を基に文章や画像などが作成でき、業務の大幅な効率化につながると期待される。情報漏えいなどの懸念も指摘されるが、リスクを管理しつつ、AIを先取りしようと利用は一段と拡大しそうだ。
 パナソニックホールディングスは国内グループ全社員9万人を対象に、4月から生成AIを活用した業務支援を開始。2月に先行導入したパナソニックコネクト(東京)は、翻訳や提案書の作成、プログラミングなどの日常業務に活用する。従来は9時間かかっていた社内アンケートの分析が6分で済むなど、大きな効果が出ているという。
 三井住友フィナンシャルグループも顧客に提供する資料作成などを想定し、本格導入に向けた実証実験を進めている。会計ソフト開発のfreeeは4月にオープンした書店で書籍案内などの接客業務に活用。コンテンツ投稿サイト運営のnoteは、生成AIが記事の書き出しなどを会員向けに提案する編集支援サービスを始めた。同社の担当者は「導入しない間に他社と取り返しがつかないほどの差が出るのではないか」として、ノウハウ蓄積を進める考えだ。
 ただ、生成AIには誰でも利用できる利便性の高さがある半面、情報漏えいなどセキュリティー面では課題も多い。利用企業は、個人情報や社外秘の情報を入力しないよう社員に徹底し、最終確認は別途行うよう周知。パナソニックコネクトの担当者は「AIは万能ではない。道具の一つとして用途で使い分けてほしい」と呼び掛けている。
 人工的な画像やイラストを作る画像生成AIも、企業広告などへの活用が始まっている。著作権侵害などの懸念もあるが、サービスを提供する英スタビリティーAIのジェリー・チー日本法人代表は「課題は必ず生じる。オープンにしないという選択肢もあるが、それでは『AIの民主化』は実現できない」と強調している。

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