ロシア水域で操業見送り サケ・マス漁、安全面懸念―政府

東京, 6月3日, /AJMEDIA/

 政府は、ロシアの200カイリまでの排他的経済水域(EEZ)内で日本漁船が行うサケ・マス漁をめぐり、操業条件を話し合う日ロ政府間交渉を見送る方向で調整していることが2日、分かった。これに伴い今回は操業も見送る見通しだ。ウクライナ情勢を受けて日本がロシアに経済制裁を科す中、交渉してもロシア水域での操業は安全が確保できないと判断したとみられる。
 ロシアのウクライナ侵攻を受け、日本は先進7カ国(G7)と協調してロシアへの経済制裁を実施。ロシアも日本を「非友好国」と指定するなど関係が悪化している。この状況を踏まえ、政府内ではロシア水域内での操業で日本漁船が拿捕(だほ)される懸念が浮上。また、同水域では近年、漁船1隻による試験操業に限られているため、今回見送っても影響は限定的とみているもようだ。
 サケなど産卵のために海から川へ戻る魚は、国連海洋法条約で川のある国が漁業権を持つと定められており、漁業を行う際は権利を持つ国からの許可が必要となる。政府は日本水域内に流入するロシア系サケ・マス漁に関しては、既に4月の交渉で従来と同水準の漁獲枠を確保している。
 一方、北方領土の貝殻島周辺で行われるコンブ漁については、操業条件を協議する民間交渉を先週末に開始した。ただ、ロシア側の求める条件が厳しく、交渉は難航しているという。

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