東京, 03月21日 /AJMEDIA/
ロシアに占領されているウクライナ東部の都市、マリウポリの惨状を描き、ことしのアカデミー賞を受賞した映画の上映会がウクライナで開かれ、観客からは世界の人に見てもらい、軍事侵攻が続いていることを忘れないでほしいといった声が聞かれました。
ウクライナ東部の港湾都市マリウポリはロシアによる軍事侵攻当初、激しい戦闘の末、ロシアに占領され、ウクライナ側は2万人以上の市民が犠牲になったとしています。
その惨状を伝えるドキュメンタリー映画「実録マリウポリの20日間」が今月、アカデミー賞の長編ドキュメンタリー賞を受賞したことを受けてウクライナの首都キーウで19日、無料の上映会が開かれました。
はじめに犠牲者に黙とうがささげられたあと、占領下のマリウポリでおよそ200日間、過ごした男性が登壇し「マリウポリの人たちは、自宅が壊されたり、身近な人が殺されたり、みな、それぞれの苦しみを抱えている」と述べて自分がみてきた状況を訴えました。
映画では重傷を負った市民が次々に運ばれてくる病院の実情や街が破壊されていく様子が克明にとらえられています。
映画を見た42歳の男性は「私たちの思いを世界に伝える作品で、全員に見てほしい」と訴えていました。
また、33歳の女性は「映画が始まってすぐに不安などの感情を追体験し始めた。子どもたちが殺されるのをみるのはとてもつらい。ウクライナで戦争がまだ続いていることを忘れないでほしい」と話していました。