「ゼレンスキー氏抹殺」警告 ドローン事件、偽旗作戦の見方―ウクライナの攻勢阻止狙いか・ロシア

東京, 5月5日, /AJMEDIA/

ロシア高官は「プーチン大統領を狙ったウクライナのドローンによる暗殺未遂」を理由に、ゼレンスキー大統領の「抹殺」を警告した。ウクライナ側は、自作自演の事件を反撃の口実とするプーチン政権の「偽旗作戦」と一蹴。ゼレンスキー政権が予告する大規模攻勢の阻止を狙った情報戦という見方が出ている。
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 モスクワのクレムリン(大統領府)でドローン事件が起きたのは3日未明だが、明らかになったのは同日午後に大統領府が発表してから。攻撃の瞬間とされる動画が「事件直後に登場しなかった」(反体制派指導者ナワリヌイ氏側近)ことから、政権が情報を管理していたとみられる。
 ロシア側は報復を一方的に宣言。メドベージェフ前大統領は通信アプリ「テレグラム」に「きょうのテロを踏まえれば、ゼレンスキー氏らを物理的に抹殺する以外に選択肢はない。無条件降伏文書への署名にも必要ない人物だ」と投稿した。
 ウォロジン下院議長も、テレグラムで「交渉はあり得ない。テロリスト政権を抑止し破壊できる武器の使用を要求する」と、核兵器などを念頭に強調。プーチン政権は占領地を保持した状態で「停戦交渉」を模索する立場だが、あえてこれを逸脱して威嚇した。
 一方、ゼレンスキー氏は3日の記者会見で「プーチン氏もモスクワも攻撃していない」と関与を否定。「われわれは自国領で戦い、村や都市を守っているが、そのための兵器も足りないくらいだ」と説明し、西側諸国に支援継続を訴えた。プーチン氏に関しては「戦犯法廷に委ねる」方針で、暗殺はあり得ないという考えを示した。
 ゼレンスキー氏は「(苦戦する)プーチン氏は暗殺未遂やドローン攻撃など、突拍子もない主張をする必要に迫られている」とも指摘。報復を宣言してウクライナを萎縮させるための自作自演だと分析した。
 クレムリン脇の「赤の広場」は9日の対ドイツ戦勝記念行事の準備中で、4月下旬から立ち入りが禁じられている。ドローン事件は第三者が目撃しづらい状態で起きた。「ウクライナの攻撃」とされながら、侵入を許したロシア軍の責任は問われていない。

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