G7デジタル相会合 「信頼できるAI」に向け閣僚声明を採択

東京, 5月1日, /AJMEDIA/

G7=主要7か国のデジタル・技術相会合は、2日間の議論を終えて、閉幕しました。ChatGPTなどの急速な普及を受け、「信頼できるAI」に向けて国際的な技術の標準化を進めることなどを盛り込んだ閣僚声明を採択しました。

G7のデジタル・技術相会合は4月30日までの2日間、群馬県高崎市で開かれ、閣僚声明を採択して閉幕しました。

AIの利用が拡大する一方で、プライバシーの侵害や情報漏えいなどの懸念も指摘される中、会合ではAIの活用や規制のあり方などで議論が交わされました。

採択された閣僚声明には、中国などを念頭に「われわれは、民主主義の価値を損ない表現の自由を抑圧し、人権の享受を脅かすようなAIの誤用・乱用に反対する」と明記されました。

そのうえで「信頼できるAI」を普及させるため、国際的な技術の標準化を進めるほか、国際機関で課題を分析することなどを盛り込んだ行動計画を採択しました。

また、AIなど新たな技術の適切な利用に向けて、法の支配や人権尊重など5つの原則を設けることでも一致しました。

一方、国境を越えて自由にデータをやり取りする「DFFT」の実現に向け、共通の枠組みを設立することでも合意しました。

松本総務大臣は、記者会見で「生成AIを今後、活用していくために、基本原則などが提示された。今後もG7での議論を加速させたい」と述べました。
閣僚声明の焦点
今回のG7=主要7か国のデジタル・技術相会合は、ChatGPTの登場で急速に関心が高まったAIの活用や規制などで、どのようなメッセージを打ち出すかが焦点でした。
AI=人工知能
急速に進化するAIについては、開発や利用を重視し、法的な規制には慎重な姿勢の日本に対し、プライバシーを重視するヨーロッパの国々は、法規制を含めた厳格なルール作りを目指すなど、各国の立場に隔たりもあります。

こうした中で、取りまとめられた閣僚声明では、民主主義的な価値観に基づく「信頼できるAI」の普及を目指すという大枠では各国が一致し、
▽国際的な技術の標準化を進めることになったほか、
▽国際機関で課題を分析することなどを盛り込んだ行動計画が採択されました。

ただ、総論では一致しても、各国の姿勢の違いを超えて、どう具体的なルール作りを進めていくかは今後の課題です。
DFFT
プライバシーの保護など、信頼性を確保しながら国境を越えた自由なデータ流通を目指す「DFFT」では、実現に向けて政府や企業などが参加する国際的な枠組みを設立することで合意しました。

そのうえで、各国の法律や制度を一覧で見られるデータベースの整備など、具体的な方策については、今後、議論を進めるとしています。
経済社会のイノベーションと新興技術の推進
AIやメタバース、さまざまなものにインターネットがつながるIoT技術など、次々に開発される新たな技術についても議論が交わされました。

こうした技術を適切に利用するため、
▽法の支配や
▽適正な手続き
▽イノベーションの機会の活用
さらに、
▽民主主義や
▽人権尊重の、
5つの原則を設けることで合意しました。
安全で強じんなデジタルインフラ
次世代通信規格「6G」時代を見据えて、次世代ネットワーク構想を策定しました。

2030年代以降に、安全でエネルギー効率の高い、オープンなデジタルインフラを目指し研究開発を進め、国際標準についても議論を加速させます。

そして、途上国におけるインフラ構築へ支援を行っていくということです。
ロシアによるウクライナ侵攻非難
また、閣僚声明では、ロシアによるウクライナ侵攻を強く非難し、即時撤退を求めるとともに、被害を受けたウクライナのデジタルインフラへの支援を、改めて確認しました。

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