NATO加盟、展望開けず トルコが消極姿勢を堅持―スウェーデン

東京, 6月28日, /AJMEDIA/

【ブリュッセル時事】北欧スウェーデンの北大西洋条約機構(NATO)加盟は、展望が開けない状態が続いている。トルコは、加盟承認の条件に挙げていたスウェーデンのテロ対策が依然として不十分だと指摘。NATOのストルテンベルグ事務総長は約2週間後に迫るNATO首脳会議までの決着を目指すが、行き詰まった現状を打破できるかは予断を許さない。
スウェーデンとトルコ、近く会談 NATO加盟巡り、首脳会議前に

 ストルテンベルグ氏は26日の記者会見で、スウェーデンやトルコの外相らが出席する会合を近く開催すると明らかにした。スウェーデンのNATO入りは「バルト諸国の安全保障を一層強化する」とも述べ、北方拡大の重要性を改めて強調。25日にはトルコのエルドアン大統領と電話会談を行ったといい、7月11、12両日にリトアニアで開催される首脳会議を前に、仲裁活動を加速させている。
 スウェーデンは今月1日、テロ対策強化を主張するトルコの要求を受け入れる形で、反テロ法を施行した。テロ組織への参加や支援が違法行為となり、最長で禁錮8年が科される。米国はこうしたスウェーデンのテロ対策を評価し、「これ以上(加盟手続きに)時間をかける理由はない」(ブリンケン国務長官)との立場だ。
 トルコを巡っては、エルドアン氏が5月の大統領選で再選を果たして国内の権力基盤を固めたため、スウェーデンへの態度を軟化させるのではないかと期待されていた。しかし、依然として歩み寄る姿勢は見られない。
 トルコ大統領府によると、エルドアン氏はストルテンベルグ氏との電話会談で「(トルコがテロ組織とみなす)クルド労働者党(PKK)などの支持者が自由にデモを行う限り(スウェーデンの反テロ法施行は)無意味だ」と主張した。スウェーデンで今月、PKKに近い組織が同法に抗議するデモを主催したことが念頭にあるとみられる。
 スウェーデンは、ロシアによるウクライナ侵攻を受け、軍事的中立の立場を転換。昨年5月、隣国フィンランドと同時に加盟を申請した。NATOは既にスウェーデンの加盟に合意しており、トルコとハンガリーによる国内手続きの完了を待つだけとなっている。

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