20日に首相信任投票 辞任なら前倒し総選挙も―伊

東京, 7月20日, /AJMEDIA/

イタリアの上下両院で20日、連立与党の左派「五つ星運動」が連立離脱を示唆したことを受けて辞意を表明したドラギ首相の信任投票が行われる。ドラギ氏が辞任すれば、来年の議会任期満了を待たず秋にも前倒し総選挙が行われる可能性があり、政治の不安定化に懸念が広がっている。
 五つ星は14日、物価高対策の法案に反発し、採決をボイコット。法案は賛成多数で可決されたが、ドラギ氏は五つ星による自身への不信任と受け止め、「政権を支えてきた多数派は、もはや存在しない」と辞意を表明した。
 マッタレッラ大統領は同日、ドラギ氏が提出した辞表の受理を拒否。現状を議会に説明するよう求めていた。
 20日の投票で五つ星以外の党が信任票を投じてドラギ氏が続投すれば、政治不安は回避される。逆に信任案が否決されるか、可決されてもドラギ氏が意思を曲げず辞任した場合、マッタレッラ氏は来年の総選挙までのつなぎとして、官僚などを首相に据えたテクノクラート内閣樹立を目指すとみられる。伊メディアによると、フランコ経済財務相の名が候補に挙がっている。
 一方、ドラギ氏が辞任し総選挙が前倒しされれば、政党支持率で首位の「イタリアの同胞」を中心とした右派連立政権が誕生する可能性が高い。ファシストの流れをくむ同党は反欧州連合(EU)を掲げており、欧州全体に影響が及ぶのは必至だ。
 ANSA通信によれば、これまでにローマ市長やベネチア市長など1000人以上の自治体首長が、ドラギ氏の続投を求める署名活動に参加。再燃する新型コロナウイルス感染やロシアのウクライナ侵攻によるエネルギー危機などを背景に、首長らは「安定性と確実性、一貫性がこれまで以上に求められている」と訴えている。

Follow us on social

Facebook Twitter Youtube

Related Posts