1社だけ応札、電通主導で談合か 五輪テスト大会巡り―独禁法違反の疑い

東京, 11月22日, /AJMEDIA/

 東京五輪・パラリンピックを巡り、広告最大手電通が主導し、複数社が大会組織委員会発注のテスト大会計画立案業務の競争入札で、1社だけ応札するなど談合した疑いがあることが21日、関係者への取材で分かった。計画立案業務を足掛かりにテスト大会や本番の運営業務を受注したとみられ、不当な取引制限を禁じた独占禁止法に抵触する可能性があるという。
 大会スポンサー契約を巡っては、電通で専務などを歴任した組織委元理事の高橋治之被告(78)=受託収賄罪=が5社から計約2億円を受領したとして、東京地検特捜部に4回逮捕、起訴された。組織委のマーケティング専任代理店としてスポンサー募集業務を担った電通も関係先として特捜部の家宅捜索を受けた。
 関係者によると、談合の疑いが指摘されているのは、競技会場ごとに行うテスト大会の「計画立案・計画支援業務」。2018年5~8月に総合評価方式で26件の競争入札が行われ、電通など広告大手やイベント会社など9社と共同企業体(JV)1団体が約400万~約5900万円の総額約5億3700万円で落札した。入札には1社だけで応札するなどしたケースもあり、電通を中心に少なくとも複数社が受注調整した疑いがあるという。
 テスト大会は本番に近い環境で行って運営課題を洗い出すのが目的。18年9月~21年7月に56回実施され、計画立案業務を落札した社は大会本番も含めて運営業務を随意契約で受注した。東京都との共同実施事業以外は公表されていないが、受注総額は数百億円規模に上ったとみられる。
 計画立案業務を分け合って受注することで大会本番の受注や円滑な運営につなげる狙いがあったとみられるが、落札した一部の広告大手やイベント会社の幹部らは取材に、いずれも「不正なことはやっていない」などと談合を否定している。

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