離婚に退職、孤立深め 谷本容疑者、家族と心中未遂も―大阪ビル放火

東京, 12月24日, /AJMEDIA/

 大阪市北区のビル放火事件で、火を付けた疑いが持たれている谷本盛雄容疑者(61)は、母を早くに亡くし、妻とも離婚。勤務していた板金工場を退職するなど孤立を深めていった様子がうかがえる。10年前には家族を道連れに自殺しようと、長男を包丁で切り付ける殺人未遂事件を起こし、実刑判決を受けていた。
 谷本容疑者の兄によると、同容疑者は4人きょうだいの次男で、中学生ぐらいから父の経営する板金工場を手伝っていた。18~19歳ごろに最愛の母を亡くし、父やきょうだいとも疎遠に。兄は「どこに住んで、何をしているかも知らなかった」と話す。
 実家を出た後も別の板金工場で働き、腕の良い職人として評価されていた。2010年ごろまで勤務していた同市淀川区の工場の社長(78)は「まじめで責任感があり、仕事ぶりもずばぬけていた」と振り返った。たまにカッとなることはあったが、同僚と大きなトラブルはなかったという。
 私生活では妻と子供2人に恵まれたが、08年に離婚。復縁を望んだとされるがかなわず、工場を突然退職した。
 殺人未遂事件を起こしたのは11年4月の早朝だった。判決文によると、谷本容疑者は孤独感などから自殺を考えるようになり、長男や元妻らを道連れにしようと計画。元妻宅で一緒に酒を飲んでいた長男に出刃包丁を振り下ろし、約2週間のけがをさせた。
 放火事件当時は、現場から約3.5キロ離れた電気やガスが止まったままの一軒家に、1人で住んでいた。かつて暮らした家で、自転車で出掛ける姿が近所の住民にたびたび目撃されていた。

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