野党優勢、連立交渉が焦点に 総選挙まで1カ月―イスラエル

東京, 10月3日, /AJMEDIA/

イスラエルで11月1日に予定される総選挙(国会定数120)まで1カ月を切った。国会解散の根本原因である連立政権の分裂は選挙戦にも影響し、与党の政権維持は難しい情勢だ。一方、ネタニヤフ元首相を支持する野党の右派・宗教勢力はわずかにリードしているものの、現時点では過半数に届かない見通し。約3年半で5回目となる総選挙でも、政局の混乱は収まりそうになく、現状では、政策よりもネタニヤフ氏率いる右派野党リクードの連立交渉の展望が焦点となっている。
 世論調査では、リクードが32議席を獲得し、第1党になる見通しで、中道与党イェシュアティドが24議席で後を追う。党首のラピド首相が9月の国連総会で、中東和平について、パレスチナの国家樹立を認める「2国家共存」への支持を表明し、票の掘り起こしを図ったとされるが、差を埋めるには至っていない。
 極右や左派、アラブ系などイデオロギーの異なる8党が「反ネタニヤフ」で糾合した与党側は、最近の調査で57議席まで伸ばした。ただ、一部勢力で協力関係が崩壊しており、政権樹立の望みは薄いとみられている。対してネタニヤフ氏側は、59議席獲得の予想だ。
 ヘブライ大のアブラハム・ディスキン名誉教授(政治学)は、リクードが、かつて連立関係にあった与党の中道「青と白」代表のガンツ国防相に、首相ポジションをあてがうことで再び連立に呼び戻すことが「最も現実的なシナリオだ」と分析。各地元メディアでもこの見方が浮上している。
 しかし、イスラエルのメディア「タイムズ・オブ・イスラエル」によれば、ガンツ氏は、テレビ局の取材に、ネタニヤフ氏の下では「過激派政府になる」と指摘し、「その一部にはならない」と述べた。同メディアはリクード幹部の話として、連立するためにネタニヤフ氏を政権から外す案が出ていると報じたが、ネタニヤフ氏の反発は必至で、実現可能性は未知数だ。

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