被災者支援に学生寮活用 元の入居者は強制退去―トルコ地震

東京, 2月24日, /AJMEDIA/

6日にトルコ南部で発生した大地震で160万人以上が避難生活を余儀なくされる中、トルコ政府は各地の大学の学生寮を被災者に無償で提供し、生活支援を行っている。仮設住宅の建設を待たずに入居できる利点がある一方、先に入居していた学生たちは実家などへの強制退去を求められ、戸惑いを隠せずにいる。
 エルドアン大統領によると、トルコで避難所生活を送る被災者は20日時点で168万4000人おり、このうち25万人超が学生寮に入った。
 イスタンブール郊外にある16階建ての学生寮に先週入居したジェイラン・シャヒンさん(37)。南部ハタイ県の自宅が崩壊し、地元で野外での避難生活を強いられた。衛生状況の悪化に加え、9歳の子供がてんかんの発作を起こしたことなどから、周囲の勧めでイスタンブールに移動した。
 この寮の食堂では被災者らに食事が振る舞われ、衣服も提供されている。それでもシャヒンさんは「地震があってから生きた心地がしない。お金もなく、これからどうしたらいいのか」と途方に暮れていた。
 南東部マラティヤ県で家を失い、妹とその4人の子供と共に避難してきたメフメット・ジャンバズさん(44)は「部屋は清潔で申し分ない。ただ、地元で経営していた家具店が倒壊し、今後どう生計を立てればいいか。子供たちの教育も心配だ」と語った。
 一方、北西部エディルネ県の大学に通うブシュラ・ダシュクネルさん(24)は「寮の運営者から私物を撤去するよう通告され、急いで片付けた」と話す。現在大学4年生だが、授業は卒業を迎える6月までオンラインで行われる見通し。「新型コロナウイルス(流行)の時と合わせ、4年間の半分以上がオンラインになってしまった」と落胆していた。

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