自宅のトイレに設置するだけで自動で尿検査できるセンサー「U-Scan」

東京, 1月7日, /AJMEDIA/

 1日に何度も行くトイレが健康の情報源になったら――この夢をかなえる製品が、ラスベガスで開催されているテクノロジー見本市「CES 2023」で発表された。Withingsの「U-Scan」は、便器に取り付けるだけで、トイレを使うたびに尿を分析してくれるセンサーだ。

 病院で尿検査をしたことのある人なら、尿が健康に関する情報の宝庫だと知っているだろう。尿を調べれば、脱水症、妊娠、感染の可能性はもちろん、臓器の健康状態さえ分かる。Withingsはこうしたバイオマーカーに注目し、2023年前半に2種類のコンシューマー向けU-Scanを欧州で発売する。米食品医薬品局(FDA)の承認が得られれば、米国でも販売を開始する計画だ。

 U-Scanには2種類の専用カートリッジが用意されている。「U-Scan Nutri Balance」カートリッジは、尿に含まれるケトン体やビタミンCの濃度を測定し、尿のpHを検査することで栄養や代謝の状態をモニタリングするものだ(pH値の高低により腎臓機能の状態などが分かる)。

 もう1つの「U-Scan Cycle Sync」カートリッジは、黄体形成ホルモン(LH)の波を測定することで、女性が月経周期を正確に把握できるようサポートするものだ。LHの分泌量が急激に増えているときは排卵が近く、妊娠の可能性が高いことを意味する。このカートリッジでも尿のpHを測定可能だ。

 もちろん、LHの分泌状況やケトン体濃度などを測定できる家庭用尿検査薬はすでにいくつも存在する。Vivooのような尿検査サービスは、検査結果とアプリを組み合わせることで、自分の身体に関する詳細なデータを得られるだけでなく、測定値の意味も教えてくれる。しかし、一度設置すれば勝手に測定してくれるWithingsのセンサーと比べて、こうした検査薬やサービスは手間がかかる。

 「センサーのことは考えず、普段通りに生活するだけでいい」と言うのは、Withingsの最高経営責任者(CEO)、Mathieu Letombe氏だ。

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