米、失態の爪痕深く 撤収後も続く対テロ戦―アフガン

東京, 8月14日, /AJMEDIA/

アフガニスタンでイスラム主義組織タリバンが実権を握ってから15日で1年となる中、米軍撤収で混乱を招いた米国の失態の爪痕はなお深く残っている。アフガン撤収後も「テロとの戦い」は続いているが、終わりは見えないままだ。
 「希望者全員を退避させられなかった。そのことが今も私を苦しめている」。米軍のアフガン撤収を指揮したマッケンジー前中央軍司令官(今年4月に退役)は今月、公共ラジオ(NPR)のインタビューでこう失敗を認めた。首都カブールの陥落で国外脱出を求める人々が空港に殺到し、滑走する米軍機にしがみついた光景は今も鮮明だ。
 アフガン撤収の混乱で、米国の情報収集や計画立案などの能力には疑問符が付いた。上院外交委員会のジム・リッシュ前委員長(共和党)は「バイデン政権は何を間違ったかを検証し、失敗から学ぶ必要がある。1年たっても包括的な報告書も政策の修正も見られない事実は容認できない」と批判している。
 米国は今年7月31日、カブール中心部で国際テロ組織アルカイダの最高指導者ザワヒリ容疑者をドローン攻撃で殺害した。バイデン大統領は演説で「私はアフガンに何千人もの軍隊を置く必要はなく、効果的な対テロ戦を続けると約束した。まさにそれを実行した」と胸を張ったが、米軍撤収から1年たたずして、タリバンが同容疑者を「カブールでかくまう」(ブリンケン国務長官)ことを許していた。
 指導者殺害後もテロの脅威は去っていない。非営利団体「対過激思想プロジェクト」のハンス・ヤコブ・シンドラー上級ディレクターは「指導者の空白は一時的で、すぐに後継者が現れる」と指摘。タリバンとテロ組織の緊密な関係が明らかになったとして、「テロリストがアフガンで訓練し、大規模なテロ攻撃に向けて活動する可能性は排除できない」と警告している。

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