欧米襲う熱波 大規模火災頻発、多数避難

東京, 7月26日, /AJMEDIA/

欧州と北米が熱波に見舞われている。異常な高温の中、南欧や米西部では森林火災が拡大し、住民多数が避難を余儀なくされた。専門家は世界各地における猛暑や日照り、洪水などの異常気象について、人間の活動に起因する「気候変動」によるもので、その頻度や程度が今後高まると予想している。
 ギリシャでは23日から熱波が襲来し、地域によっては気温が42度に達する見込み。これに伴い国内4カ所で大規模火災が発生。観光客に人気のレスボス島にある村では24日、約200人が避難を命じられた。
 クロハゲワシの生息地でもある北東部エブロス地方の国立公園は、4日間にわたり火災が広がり、数百人規模の消防隊員が消火活動に当たっている。地元知事はアテネ通信に対し、住民を守り、傷ついた野生動物を手当てするため、手を尽くしていると説明した。
 スペインでは異常な高温が2週間も続き、南部コルドバでは最高気温が45度に達すると予想されている。世界保健機関(WHO)は22日、欧州の熱波によって「スペインとポルトガルだけで1700人以上が命を落とした」とする推計を公表。両国にフランスを加えた3カ国で、今年に入って52万ヘクタール近くが火災で焼け、既に昨年1年間の焼失面積を超えた。
 英国も火災多発に頭を悩ませる。先に40度超の気温を記録したロンドンでは24日、消防当局が市内3カ所で28台のはしご車と隊員205人を消火活動に動員。火災防止のため、バーベキューの中止などを呼び掛けた。
 一方、米国でも事態は深刻だ。バイデン大統領は、気候変動について「目の前にある危機だ」と述べた。
 西部カリフォルニア州では、ヨセミテ国立公園近くで22日に発生した火災が、依然猛威を振るっている。2000人以上の消防隊員が消火に当たるが、同州当局の24日の報告によると、これまでに5750ヘクタールが焼失。6000人以上が避難した。
 消防当局は「大気の異常な乾燥」が消火活動を阻害していると指摘。カリフォルニア州のニューサム知事は23日、「住民や財産の安全に差し迫った危険がある」として、同州マリポサ郡を対象に緊急事態を発令した。

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