楽天モバイル、2023年中に人口カバー率99%達成へ–解約増も8割は月額0円ユーザー

東京, 8月11日, /AJMEDIA/

 楽天グループは8月10日、2022年12月期第2四半期決算を発表。売上高は2021年同期比12.6%増の8935億円、営業損益は1971億円と、引き続き楽天モバイルの先行投資による赤字決算となった。

 ただ、代表取締役会長兼社長の三木谷浩史氏によると、Eコマースやフィンテックなどの主力事業は好調で、楽天モバイルを除くNon-GAAP営業利益は2022年同期比12.6%増の452億円になるとのことだ。

 楽天モバイルは、7月に導入した新料金プラン「Rakuten UN-LIMIT VII」で、月当たりの通信量が1GB未満であれば0円で利用できる仕組みを廃止したことが大きな注目を集めている。収益の改善が見込まれる一方、0円で利用できることを目当てとしたユーザーの解約が大幅に増えることが懸念されていたからだ。

 今回の決算ではその影響が明らかにされており、2022年6月末時点におけるMVNOの契約を含めた楽天モバイルの契約回線数は546万、そのうちMVNOの契約数は69万とされていることから、携帯電話事業単体での契約数は477万。前四半期の携帯電話事業単体での契約数は491万であったことから、単純計算で約14万契約が減少したこととなる。

 そのため三木谷氏も、月額0円施策を廃止したことで契約数が減少していることは認めたが、解約件数のうち8割は通信量が1GB未満の月額0円で利用していたユーザーであるとも説明。一方でRakuten UN-LIMIT VIIの発表後、楽天モバイルをメイン回線として利用する人の比率は8.3ポイント、通信量を20GB以上利用している顧客は5.7ポイント増加した。月額0円廃止による解約を除くと、契約は30%程度伸びたという。

 その影響は業績にも表れており、2022年第2四半期における楽天モバイルを主としたモバイルセグメントの営業損益は1243億円と、前四半期の1350億円から改善した。改善の要因としては月額0円施策の終了を打ち出したことでARPUが上昇したことに加え、自社エリア拡大によるローミング費用の削減も挙げており、当初はデータ使用量のうち78%を占めたローミングが、現在は6~7%にまで抑えられているとのことだ。

 また月額0円施策を廃止すると発表してから急増した解約者について三木谷氏は、「かなり落ち着いてきている」と説明。ポイント付与などで2022年10月末までは実質月額0円で利用できることもあって今後の動向を注視する必要はあるとしながらも、施策の終了後は解約率も元に戻るのではないかと話した。

 ただ三木谷氏は、月額0円施策の廃止以外にもユーザーが解約する要因があると話す。それはエリア整備が済んでおらず、KDDIとのローミングで賄っているエリアの利用者であるという。ローミング時は高速通信が利用できる上限が5GBまでと制限があることから、三木谷氏は2023年中に4Gの屋外基地局を6万局超に増やして人口カバー率99%超の達成を目指すとともに、マーケティング施策も各地域に特化した形へシフトさせていく方針を示した。

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