日中、関係安定なお不透明 対話継続確認も懸念拭えず

東京, 8月19日, /AJMEDIA/

 秋葉剛男国家安全保障局長と中国外交担当トップの楊潔※(※竹カンムリに褫のツクリ)共産党政治局員が17日、7時間にわたって会談した。台湾情勢の緊迫化で外相会談がキャンセルされるなど対話の機運が遠のきつつあっただけに、日本政府内には安堵(あんど)する空気も広がる。ただ、台湾周辺での中国の軍事活動強化など覇権主義的な行動への懸念は拭えず、関係安定に向けた道筋は不透明だ。
 安保局長と楊氏の会談は2020年2月以来約2年半ぶり。前回は楊氏が来日し、当時の北村滋局長と面会した。今回は秋葉氏が中国・天津を訪問。昨年10月に両首脳が一致した「建設的かつ安定的な関係」の構築に向け、双方が努力していく必要があるとの認識を共有するとともに、対話の継続を確認した。
 国交正常化50年の節目を9月29日に控える日中両国。日本側としては、沖縄県・尖閣諸島周辺への相次ぐ領海侵入などを警戒しながらも、最大の貿易相手国である中国との決定的な対立は避けたいのが本音だ。
 外務省幹部は「対話したこと自体は良かった」と評価。今後、国交正常化の節目をにらみ、岸田文雄首相と習近平国家主席によるオンラインを含む首脳会談が実現するかが焦点となる。
 一方、秋葉氏は中国の軍事活動について「日本の立場」を楊氏に伝達した。日本の排他的経済水域(EEZ)内に弾道ミサイルが着弾したことに抗議し、自制を求めたとみられる。
 ペロシ米下院議長の台湾訪問を契機に周辺での軍事活動が常態化するとの見方が日本政府内には広がっている。政府関係者は「軍事活動を止める気はないだろう。行動が伴わない以上、関係改善はなかなか難しい」との見方を示した。

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