宇宙へ「扉開かれた」 民間人のみで地球周回―スペースX

東京, 9月17日, /AJMEDIA/

【シリコンバレー時事】米東部時間15日夜(日本時間16日朝)、民間人のみ4人を乗せたスペースXの宇宙船が地球周回軌道に乗ることに成功した。3日間周回し、帰還する。船長として搭乗した米実業家ジャレッド・アイザックマン氏(38)は打ち上げ成功後、「(宇宙への)扉は開かれた」と歴史的成果を強調した。費用の低下など普及に向けた課題は多いが、宇宙は憧れの的から身近な存在に近づきつつある。

 宇宙船「クルードラゴン」は15日午後8時3分、フロリダ州のケネディ宇宙センターから打ち上げられ、約10分後に軌道に進入した。ハッブル宇宙望遠鏡を上回る高度585キロに到達後は、1周90分で軌道を周回する。これらの作業は、全て自動操縦だ。

 金額は非公表だが、費用はアイザックマン氏が負担。自らが支援する病院に勤務し、小児がんを克服した米国人女性ヘイリー・アルセノーさん(29)らを同乗者に選んだ。連絡を受けたアルセノーさんは「自分は一般人。幸運だった」と語る。

 7月に短時間ながら先行して民間飛行を実現した米宇宙企業2社のうち、ヴァージン・ギャラクティックは8月に今後の搭乗料金を45万ドル(約5000万円)と発表。現状では、一部の富裕層にしか手が届かない状況にある。

 電気自動車(EV)大手テスラの創業者でスペースXを率いるイーロン・マスク氏は、宇宙空間経由で地球各地を1時間以内に結ぶ移動サービスの事業化計画を抱く。今回、宇宙飛行士を乗せず民間人だけの飛行を実現したのは大きな前進だ。今後は機体の大型化や打ち上げ回数の増加などで、料金を引き下げられるかが課題だ。

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